Vol.2 「後輩‘漢’大ブレイク、お酒って怖いね」
今日は職場の某歓迎会でした。
僕らの歓迎会で「鬼門」とされているのが一つあります。
いつもはおしゃれでクールなフランス居酒屋とかうまい焼き鳥屋なんかで歓迎会するんだけど、
年に一度だけなぜか、「お好み焼き屋」で歓迎会があるときがあります。
そこはカラオケ&鉄板付きで、3000円で海老とかイカとかの鉄板焼きと、豚の焼肉ともちろんお好み焼き(関西風)が楽しめます。
だけどそこで歓迎会をやると「誰か一人必ず潰れてしまう」のです。
つぶれるというのも「普通につぶれる」のではなく、「次の日の勤務時にまずみんなに謝罪行脚しなくてはならない」程、潰れます。
そういう東雲の歓迎会も昔ココであって、みんなの期待通りぐでんぐでんに酔っ払いました。
しかし今回の新人はまた僕とは違います。
半端じゃなくおもしろい漢(おとこ)が入ってきたので、今回の酔っ払い具合を紹介します。
・・・まず歓迎会に集まった人数22名。
(その新人の名前は仮に「漢」とします)
まず最初のビールが来た時点で間違いが・・・・。
23杯ビールが来てしまっていました。
「あら? 一杯多いぞ」
東雲「いいじゃん、置いといても、なんだったら(漢を指して)お前飲みんさい」
漢「はい、頂きます」
ここからです。
もうこの時点で彼の今後は決まっていたのです。
そこはビールのおかわりはセルフサービスで、部屋の外にあるカウンターまでグラスを持って出なくてはなりません。
彼は僕のテーブルとは違ったんですが、僕が一杯目のビールをおかわりするとき、カウンターで出会いました。
漢はジョッキを二つ持っていたので、
東雲「なんだよ、おかわりぐらい自分で行けよなって言ってやれよ」・・・と言ったら、
漢「いや、違いますよ。僕が二ついっぺんに飲んだんです」
ほら、ほら、ほら。
始まったぞぉ。
その後も彼は二つのジョッキで飲みつづけました。
僕は前回の失敗もあるので、静かに剥き海老を焼き、イカが鉄板を飛び跳ねるのと闘い、ちびちびやっていました。
そしてあくまでもスマートに隣の素敵な看護婦さんとお話していました。
そしたらなぜか漢が僕の隣にやってきて、「東雲さ〜ん、飲んでますかぁ」(←顔真っ赤)とのたまう。
東雲「お・・おう。飲んでるよ」
漢「嘘ですよ、嘘。なんか楽しそうに話してるじゃないですかぁ?」(?)
なんかすでに雰囲気が違います。
あの男らしい漢の姿は何処に行ったのか・・・?
漢「東雲さん、歌いましょう。歌いましょう。カラオケありますよ」
東雲「お・・・おう。じゃ、奇跡の地球って知ってるか? チル桜井と桑田の・・・」
漢「あい、知ってますよ。歌詞は知りませんけど」
東雲「・・・・じゃ、それ歌おう。俺桜井やるからな」
漢「え〜! じゃ、僕が桑田っすかぁ〜〜いやっすよぉ〜〜〜」
・・・サザンの桑田の何処が嫌か・・・おい。
歌に入っても、歌ってる途中で、
漢「すげぇなぁ、東雲さん、英語読めるんですねぇ。僕、馬鹿だから駄目ですよ。うわっはっはっは・・・」
いや・・・ちょっと待て・・・。
♪ わたしはラジオを聴いている・・・・これくらい読め!! そして歌えよな!
その後、漢はイエモンのオンパレード。
ずっとイエモンばっかり。
ココくらいから挙動が明らかに不審になっていく彼。
やたら謝る漢。「ごめんなさい、すいません・・・」しかも土下座で。
僕がトイレに立つと、あんまし酔ってない人とすれ違いました。
「ねぇねぇ、東雲くん、漢くんって大丈夫なの?」
東雲「なにが?」
「さっきね、このトイレまでの廊下をねぇ、笑いながら四つん這いで走っていったわよ」
東雲「四つんばい!?」
「そう、なんか‘祟り神’(@もののけ姫)みたいだった。笑ってたし」
そして3時間が経ち、貸切の時間も終わりかけた。
彼はマイクを持つ、なぜか歌う番でもないのに・・・。
漢「みなさん、今日は僕の為に集まって頂き、ありがとうございます」
おっ意外だ、なんか喋るんだな、と思っていたら・・・・
漢はその場に座り込んだ。
漢「僕は昔暴走族でした。
その時にはみなさん、大変ご迷惑かけました」
(その場大爆笑)
暴走族・・・?
漢はカラオケのマイクを握り、続ける・・。
漢「だけど、今の彼女が出来て、きちんとやめました。でも僕はその子に東京に行かないでと言われたので、大学を諦めました。でもそのあとすぐ彼女と別れたんです・・・だからぼくは一体なんの為にココにいるのか・・・・」
もちろん賢明な皆さんはお分かりですよね。
自分の歓迎会で「なんの為にここにいるのか」なんて言わない方がいいですよ。
漢「最近出来た彼女ともついこないだ別れました。もう、僕は寂しいんです。寂しいんです。みなさん、これからもどうぞよろしくお願いします(?)」
(大爆笑の渦)
漢「ありがとうございましたぁ」
ごろん・・・その場に力尽き倒れこむ。
(爆笑)
東雲は見かねて、水の入ったジョッキを寝転んだままの彼に差し出しました。
漢「東雲さぁん、ありがとうございますぅ」(←ジョッキを受け取る)
嗚呼、漢は仰向けに寝たまま飲もうとして顔にそのままダイレクトにジョッキいっぱいの水をかぶりました。
(死ぬほど爆笑の渦)
むくっ(漢、急に起きる)
漢「気持ち悪い・・・」
その後何が起こったかはみなさんお気づきでしょうか?
分かりますよね。
東雲は動物的な本能でその場を離れました。
静かに。(←冷たい)
漢、口に手をあてる・・・。
(食事中の方ごめんね)
漢「げろげろげろげろ・・げぼぉぉ」
(一同成層圏までひく)
・・・ぼくは一部で起こる悲鳴をバックミュージックに鉄板の上に残ったお好み焼きをつついていました。
おいしかった。関西風もいけますよ。なかなか。
ま、彼は両脇を抱えられ、死人のように真っ青になった顔をして、足を引きずりながら去っていきました・・・。
もちろんそのときもぼくはお好み焼き食べてました。
おいしかったです。
次の日漢が出勤だったので、「なぁ、暴走族の話したの覚えてるか?」って訊いたら、
漢「え!? なんでぼくが暴走族だったって知ってるんですか!?」
だってさ。
お酒って怖いね。
後日「漢」について追加情報を得ました。
もちろんぼくは例の瞬間、嫌な予感がしたので、さっと逃げて、難を逃れましたが、
(ただお好み焼きがおいしかっただけという噂もある)
今日仕事行って訊くと、もっと詳細が分かりました。
その場に倒れこんだ漢、「気持ち悪い・・・」と言い、見るに見かねた数人(5,6人)に抱えられ、トイレに運ばれる瞬間に、「げろげろげぇ・・・」とやったらしいよ。
そのとき脇を抱えていた数人が吐く瞬間に、全員が一斉に仲良く手を放し、
げろまみれになって突っ伏した漢・・・・。
あと、お堅い女の先輩に投げキッスをぽこぽこ放っていたらしい。
その先輩も投げキッスをお返ししていたらしい。
それを聞いて漢が今日一言。(もちろんこいつは覚えていない)
漢「あの先輩が投げキッスを? 人は見かけによらないっすねぇ」
・・・お前もな。