ミスターチルドレンコンサートツアー「Q」 
2000年11月29日(水) 広島グリーンアリーナにて 



7年間です。いや、8年か・・・。
この人達の音楽を聞いていたのに、「会ったことはない」という状況。

東雲は結局午後3時に家を出ました。
夜勤明けだったので、ゆっくり睡眠をとり,(午後一時から二時までだけど・・・。)
家を出た・・・のにまた引き返してきます。車でバイパスに乗ろうと思ったとき、カバンの最終チェックをしました。
服よし!(当たり前だ) 財布良し! チケット・・・チケット!?
ぶいぃぃぃぃん。(東雲引き返す)

なんと家に(実家に)チケットを置き忘れて来た事を思い出し、引き返します。
その時僕の頭に浮かんだのは、「前途多難」の文字・・・。
しかしその後何事もなく、(よかった・・)広島につきます。

そのすぐにやらなくてはいけない事は・・・みなっこさんと約束した、
「そごうの地下でジェラートを食べる」でっす。
さっそくそごうへGO!(←この時点で4時40分)
だけど、「ジェラート屋」なんて高級そう(イメージ)なアイス屋を発見できないまま、
地下で、まよたこ焼きを食べる。コーラ付きで、450円。すごく安い。

さぁ、煙草もすったし、出発だ!(←5時15分)

すたすた歩く。広島電鉄の路面電車が数台通り過ぎる。
原爆ドームの正面、広島市民球場から歩いて少しの所に、「広島グリーンアリーナ」はある。
ぼくは少し前ここに来たことがある。高校だったかな? 忘れたけど、バレーの試合をここでした。
いや、クラスマッチの延長みたいなわいわいするやつ。

グリーンアリーナが見えてくる。でかい・・・。
人の姿がぱらぱらとしか見えない。(←5時30分)
おかしいな? とか思いながら、近づくと、すでにアリーナ、ステージ側と分かれて順序良く並んでいる。
と、ここで弾き語りのアンちゃんがいる。
「そりゃ、あんたミスチルやるにきまってんだろう?」と思いながら、思わずぼくも近づく。
ぼくはチルの弾き語りを聞いたことがなかった。ひょっとして広島の路上ではチルよりもゆずの方が権威なのかも知れない。
その兄ちゃんが歌い始める。
このイントロは、スロースターターだ!

♪ー。
耳をすまぁぉしたりゃぁ↓ かぉすかぃに聞えぅるよぉぉう← ♪・・・・・。

あのなんていうんでしょうか・・・。
言いにくいんですが・・・(この人は実在してるわけだから・・・)。
ちょっとあんまり、言いにくいけれど・・・。
「もっとがんばろう」のハンコが欲しかったです。(←精一杯オブラードに包んだ)

さて、ぼくも列の中に加わりました。
(この日はいっしょに行く予定だった人が下痢、発熱のため、これなくて一人だった・・・隣空席で楽だったけど)
さて、6時!
開場だ!


6時10分。
すでにグッズを買い、サンQバックをもらい、着席したぼくは、そわそわして席を立つ。
トイレに行ってこよう。

男子トイレは二階のみということだ。
二階席側ではCDを販売していた。「友とコーヒーと嘘と胃袋」が流れている。
前に何度も行ったけれど、僕は「友コー」が一番好きだ。
何故なのかは分からない。(コンサート終了後、なんとなく分かったけれど)

席に戻る。
6時20分。
あと40分でスタートする。
会場内ではなにかしらの交響曲が流れている。気持ちはまだ高ぶってこない。
人もまだぱらぱらといった具合だ。
再び席を立つ(落ち着かないヤツです)。
ステージの前まで行ってセットを見る。馬鹿でかい! この傘のような重々しいセット・・・。一体どうなるんだろう?
セットの上の方には、前回のツアーのミラーボールらしきものがある。
ぼくはカメラ付き携帯なので、撮影を試みたけど、暗すぎて駄目だった。

再び席に戻る。
6時45分。
僕はアリーナ38列。これで桜井さんが確認できるのだろうか?

会場はざわついている。い・いかん、緊張してきた。
隣から、チラシがまわされてきた。なんじゃこりゃ。
「アンコール時にみんなで口笛を歌いましょう」と書いている。
ふぅぅん。
と思う。
でもこう言うものって、自然発生的に生まれるものなのではないか? と思っている。
せっかくすでに終了しているライブの模様など情報をシャットアウトしてきたのに、
「アンコールは口笛」って分かってしまった。

終わってから思った→「でも、それなら、友コーの立場は?」

でも雰囲気にのまれて歌うだろうなとも思った。

7時ジャスト。
大方の人間は、着席した。まだ席を立つ不届き者がいる。
いかん、緊張してる東雲だ。
ジーンズの上で握っていた手が汗で湿ってきた。
しかし周りはいつまでもおしゃべりしている。
皆緊張してないのか? ぼくだけなのか? ぼくは7年来た事がなかった。
それは1回1回理由があるけれど、そんなことはもういい。

ぼくはやっと辿り着いた。

7時12分。
スピーカーから流れていた交響曲が止まり、イントロが流れる。
それと同時かどうかは覚えていないけれど、ライトが落ちる。会場は暗闇に包まれる。
皆席を立ちあがる。桜井さんの声が(イントロの一部?)会場に響き渡るたび、悲鳴が上がる。

僕も立ちあがる。

立ちあがって分かった事がある。

38列目は後ろだってこと。
ステージ全体が確認できない。


しかし音は広がるように大きくなり、光はもともとそうであったかのよう強くなっていった。



一曲目は「センターオブユニバース」だと思っていた僕の予想を越え、「その向こうへ行こう」。
スクリーン(3面)には、ロケットの打ち上げ、何らかの動力部の盛んな動きなどが、音楽と合わせて映し出される。
いや、カッコイイ。
すでに雰囲気に呑まれている。
桜井さんの生声が響き渡る。
「思ったよりも僕らが まの当たりにしてる壁は・・・」
桜井さんの声ってここまで伸びるものなのか・・・・。
「アトムの歌」(チルコン行った人なら分かるはず)の二章節目でも思ったけど、この伸びは桜井発声の魅力だ。
それが「その向こうへ行こう」では遺憾なく発揮されている。
恐ろしい。
この歌は「Q」の中でもB級の曲だと思っていたけれど、大きな勘違いだった。

イントロは続く。
デジロックの打ち込みテンポが会場内に響き渡る。
僕は最初「ニシエヒガシエ」だと勘違いしてしまった。
二曲目は「光の射す方へ」。
ミスチラーの中の評価は残念ながら低いが、
僕はこういう「赤裸々ロック系(ブランニューマイラバーなど)」がすきなので、
いきなり二曲目にこれが来た事はうれしい。
めまぐるしく点灯する照明。
「光」を象徴しているのか。
♪光の射す方へー♪ に合わせ、全照明がこちら側、客席を照らし出す。

3曲目、「ニシエヒガシエ」。
イントロを聞いた瞬間にぼくは「こんな最初から飛ばすのかよ」と思う。
桜井さんは腰をサイコ‐にセクシーにくねらす。あの腰の動き・・・マスターしたいね、と思う。

4曲目、ニシエヒガシエの余韻が残る中、桜井さんがギターをソロで弾く。
僕はギターの知識がないので、アレンジされたイントロでは何の曲か分からない。
ギターを「ジャラーン」と桜井さんが止める。
♪息を切らしてさぁー♪
終りなき旅」だ。
会場がどよめく。
曲が盛りあがるに連れ、バンドも参加する。
はっきり言って、僕は手拍子をするのを忘れるほど聴きほれてしまった。

5曲目は「Heavenly kiss」良い歌だ。
あらためてしみじみ思う。

6曲目はなんと「クラスメイト」。会場から黄色い声が上がる。
高校時代、この歌は理解出来なかった。
この歌詞の意味がリアルに理解できるのは、もう少し後の事。

7曲目、ミスターチルドレンはさらに大きな歓声を浴びる事になる。
抱きしめたい」。
僕はこの歌が良い歌だと思っていなかった。
もちろんいわゆるファン内での評価の高さに戸惑っていただけです。
しかし聴いててその気持ちも理解できた。
桜井さんの声が最高にセクシーに聴こえる歌かもしれない。


会場は次々と繰り広げられる楽曲に引きこまれていく。
まるで陽光に当たってまっさらな乾いたタオルが水を吸収するように。
静かに。

ここで一息。スポットライトが桜井さんを照らす。
すでにここまでで、ミスターチルドレンは観衆の心をつかんだ。
各所で「桜井サーン」の黄色い声。
だけどそこいらに混じって男の声で「さくらいさーん」と呼びかける声が・・・。
そのたび会場は笑いに包まれる。
それに答えるように桜井さんは「さすが、矢沢を生んだ広島だ! 気持ちいいー」と言う。
他に「‘抱きしめたい‘を書いたのは92年でした。ちょうど8年前で、僕は22歳、まだ童貞でした」とも言って笑いを誘っていた。

「最近は紅茶よりもコーヒーが好きです。(会場ざわめく)なんせステージドリンクもコーヒーです。
ここで(歌詞の中で)コーヒーの出る歌を歌います」
会場はアノ歌を期待する。僕も正直うれしかった。しかし流れた曲のイントロは、
Surrender」。
重厚なギター。
はっきり言ってしびれた。この曲もCD版と今回のステージでは印象が全く変わった。
ライトは回転しながら、ミスターチルドレンを照らす。
僕はこの曲が一番今回の中でカッコ良かった、と思った。(もちろんライブ終了後だけど)

9曲目ピアノのイントロ。
桜井さんの裏声が、最高。「つよがり」。
苦しそうな発声ほど、魅力を感じてしまう。

ここで暗がりの中をスタッフがギターを桜井さんまで運ぶ。
さすがファン内での評価は高い。歓声が上がる。
10曲目「ロードムービー」。

そして超有名な出だし、ギターのジャララーン♪ で始まる、「名もなき詩」。
会場はいやがおうでも盛り上がる。
でも思ったより、ファンが歌うとこは少なかった。

なんとここで12曲目「everybody goes」。
この歌って決まった振り付けあるんですか?(聞いてどおする)
サビの時に手を上に挙げて、横に振るヤツ。
しかしあんなに会場全体で急な事ですごいそろうもんだ。
盛りあがる。盛りあがる。

13曲目、すでに何時か分からない。時間の感覚がマヒしている。
ドラムの加減で次は「センターオブユニバース」だということが分かる。
ミスチル4人を包むようにして建てられている円柱系のセットは光のトンネルを連想させるように点滅する。
テンポの速くなるメロディー時はギターを置き、桜井さんはステージ狭しと駆け回る。
「ああ世界は素晴らしいー」と歌い終わるとしかし、静寂が空間を包む。
なぜだろう?
激しいテンポに盛りあがったはずなのに・・・。
これは「センター・・」の歌詞に関係している事かもしれない。

再び桜井さんがギターを持つ。
(エレキ)ギターからは完全にアレンジされた、メロディーが流れる。
照明は桜井さんだけにしかあたっていない。
僕らはこれがなんの歌か理解できる。
それは会場を包む桜井さんのギターであり、会場を埋め尽くすファンの作り出した空気でもある。

そう、僕らは桜井さんがこれから、
「僕はつい♪」と歌い出す事を知っている。

14曲目「NOT FOUND」だ。
そしてライブは感動の後半へとなだれこむ。

ここでさらに3面のスクリーンが下りてくる。次の曲は・・・・。
ドラム(打ち込みか?)の小刻みなリズム。そう「アトムの歌」こと、「Everything is made from a dream」!
しかしこれからも僕はこの歌を「アトムの歌」としていこうと思う。
それほどあの演出は強烈だった。
♪3,2,1,0で打ち上げた夢は今・・・。
楽曲も後半に。僕は聞きながら「あの台詞の演出をどうするのだろう」とばかり考えていた。
やがてスクリーンには、機械人間の姿が映し出される。アニメだ。すぐ初期アトムの映像だという事が分かる。
実験台の上に乗せられたアトムの中身。
それに博士(お父さんなんですよね)がカバー(アトムの外見)をかぶせる、そんな映像が繰り返される。
それに合わせて、アトムの声で、「・・・・たとえば例えば高速道路の植え込みの木々は、もっと太陽の光を浴びたいと願わないのであろうか・・・」
とこのライブオリジナルの台詞が付けられている。そして、オリジナル版の、
「ゆめゆめって、あたかもそれが、素晴らしいもののように・・・・」という台詞に繋がる。
アトム。
アトムは夢一杯に生まれてきたわけじゃない。事故死した息子をよみがえらそうと父親が製作したロボット。
しかしアトムは「成長しない」。もちろんロボットだから。やがてそれを理由にアトムはアトムにとっての父、博士に捨てられてしまう。
僕はなんと言われようとこの歌を「アトムの歌」と言うことに決めた。
そう、決めたのだ。

16曲目、「スロースターター」。
サイコー(最高!と書くよりもサイコ−の方がしっくりくる)にクールなギターだ。
何度も「スロースターター・ター、いま、発射!!!」と繰り返すその連呼と、
ライトが激しく点灯するリズムが会場を興奮の渦にする。

17曲目、桜井さんは真っ赤なTシャツで登場。
このイントロは・・・「12月のセントラルパークブルース」だ!
「ハイ、ハーイ」のとこを観客に歌わせる、が、あまりに突然だったので、僕は一緒に歌えなかった。
いまさらながら、楽しい歌だ。

円柱形のセットが明るく光る。
天井から光りの玉のようになった、ミラーボール(?)が降りてくる。
優しすぎるギターの音色。
ハレルヤ」。
当然、あの「ハ、ハレ、ハーレ・・・」のとこでは、場内は大合唱。
感動的だ。

ここで一旦メンバーは下がる。

当然のごとくアンコール。
しかし結局「口笛」は歌われなかった。
ぼくはそんな紙が配られていたのも忘れていた。
なかなか我らがミスチルは出てこない。
その時、絶妙なタイミングで会場全体の手拍子(シャン・シャン・シャン・・・)が
ぴったり合う。
その時再び、桜井さんは現れる。
大歓声。
クビにはタオルを巻いている。

さて、僕は個人的に喜んだ。アンコール一曲目。トータル19曲目、「友とコーヒーと嘘と胃袋」。
ぼくはアンコールまで辿り着いたので、とうとう「友コー」は演奏しないのかとも思った。
やがて「アノ」台詞部分になる。桜井さんは「飲むよ−、飲むよ−」といいながら、
首にかけていたタオルを、飲みこむ。
(ステージ上から見て、飲みこむ振りをするだけですよ、当たり前だけど)
ここで、メンバー紹介。
僕は他のメンバーはよく分からない。
ただ、いちいち「ドラムス・・・」とか紹介するんではなくて、「We are mr,children!」でしめたとこがカッコ良かったな。
しかし「アトムの歌」「ハレルヤ」以上に「友コー」で僕は感動し、心打たれた。
最後まで歌いきったあと、桜井さんは、
(すいません、うろ覚えです)
「・・・心が張り裂けそうな悲しみも、エネルギーに変えてしまおーう♪」
「天から降ってきた不幸な天変地異もぉ、筋肉に変えてぇぇ」・・・・と新たな歌詞で歌ってくれて、
僕は本当に驚いた。
この歌はなんてエネルギー一杯なんだろう?
そうだ、ぼくはこのうたから、力をもらっていたんだ! 
と思うと、自然に、素直に感動できた。
本当に。
心の底から。

最後は「口笛」。
大歓声。桜井さんは「抱きしめたいを越えるようなバラードを・・」と言っていたけど、
この歓声ならば、ゆうに越えている。
僕はアリーナ38列目でステージを見るのに、苦労していた。
だけど、なぜか不思議な事が起こった。
僕の前の37人が一斉に僕の前に花道を作ってくれた。
口笛の演奏が始まった瞬間。ステージ全体が見えた!
そしてそれは演奏終了後まで続いた。なぜかは分からない。
僕は手拍子することも忘れ、ステージを凝視、歌詞を一言一言噛み締めていた。
本当に「ラブソング」というより「なにかの祈り」のような歌だ。

演奏は全て終わった。
メンバーは手を繋ぎ、バンザイし、礼をして、帰っていった。
最後までJENは手を振っていた。
僕らも自然と彼に・・いや、彼らに手を振っていた。

「しばしのお別れだよ。また帰って来いよ」と静かに願いを込めながら、僕はすでに明るくなったステージに向かって、手を振っていた。
いつまでも。

コンサートは終わった。皆席を立つ。僕は余韻に浸るまもなく、いつのまにか脱いでいたセーターを着る。
もう一度ステージに近づこうか、とも思ったけれど、人の波に押されて、そのまま外へ。
結局混雑してたので、その間で、メールが4本も送れた。出口まで何分かかったのかは分からない。
とにかく僕は会場を後にした。

十一月二十九日の広島はクリスマスの飾り付けが終わったばかりだった。
行き交う人々は皆一応に楽しそうに見えた。
僕は人ごみを避け、缶コーヒーを買い、裏通りから駐車場へ向かった。
すっかり冷えた車の中で缶コーヒーを飲みながら、ヒーターが温まるのを待っていると、なんだか寂しい気持ちになった。
さっきココに車を停めた時は、チルライブの開始を待っていたのに、
終わってしまうとものすごく寂しい。
でも良い。
僕には帰るところがある。
桜井さんの声を歌を、チルの演奏を糧に明日も頑張って生きていかなくちゃならない。
今回のミスチルコンサートで得たものを、筋肉に、エネルギーに変えて。




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