アイルランド旅行記

2004/7/4記す

2004/7/28修正

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2004/6/12(4日目)

アイルランドのATM

 4日目。朝起きて宿を出て、まずは飯を食いに行く。

 その前にお金がなくなって来たのでおろさなくちゃ。アイルランドでは銀行の前やコンビニの中などあちこちにATMがある。カードキャッシングもできるので、僕も最初から現金をあまり持って来ず、キャッシングするつもりでいた。使ってみた。いとも簡単にユーロ紙幣が出て来た。便利だ。

ゴールウェイの朝食

 朝飯はまたしてもマクドナルドのライバル店、Supermac'sに。この時間はモーニングメニューしかない。

朝飯

 古賀君たちが頼んだセット。アイルランドの典型的な朝食のようだ。パンとたまご、ベーコン、ソーセージ、それとクッキーみたいの。クッキーみたいなのは2種類あって、黒っぽい方は血を練り込んであるんじゃなかったかな?と古賀君が言っていた。

朝飯2

 僕が食べたのはサンドウィッチ状のもの。たまご、ベーコン、ソーセージが挟んであって、結局上のメニューと同じようなものだな。

アラン諸島へ

 それからバスステーションに行って、チケットを買う。今日はアラン諸島というところに行く。アランセーターで有名な場所だ。正確にはアラン諸島の中で最も大きなイニシュモア島という所に行くのだ。イニシュモア島に行くにはまずバスでロッサヴィールという所まで行き、そこからフェリーに乗るのだが、ポピュラーな観光コースなので、全部セットになっていて楽に行ける。

アラン諸島の場所

 バスが走り出すと後ろの席にいたスペイン人かなにかが声を合わせて大声で歌い始めた。遠足気分だ。

海沿い
バスは海沿いの道を行く

雄大
反対側は雄大な風景

石灰岩の大地
この辺り一帯は石灰岩の大地だ

フェリー
ロッサヴィールに着いてフェリーに乗り換える。こんな船

客室からの風景
船からの風景。初め客室に座ったので、窓からの風景

アイリッシュはえ
アイルランドのはえ発見。窓に止まっている

ともからの風景
しばらくしてデッキに出てみる。ともからの風景

大西洋
天気もよくて、爽快です

船上の古賀君
船上の古賀君。かわいいです

日本人の特徴

 船はイニシュモア島に到着。船を降りて港を歩いていると、前から来たおばさんたちが、なんか僕らの方に向かってぺこぺこお辞儀をしている。どうやら日本人観光客のようだ。異国の地で出会った同国人ということで、旧知の友に出会ったかのようにうれしかったのだろう。

 古賀君が二言三言、言葉を交わして立ち去る。するとまた深々とお辞儀される。おそらくナヨンのことも日本人だと思っていたんだろうな。

 ナヨンの仕事先のレストランにもいろんな国の人が来るが、お礼を言うとき韓国人や中国人は軽く言葉で言うだけだが、日本人はお辞儀をするからすぐわかる、と言っていた。

サイクリング

 ここからはレンタサイクルで自転車を借りて、島の中を回る。

自転車でGO

 古賀君は前にも一度来たことがあるので、道案内は任せてくれと言う。はじめに海沿いの道を走って行くが「この道は行き止まりだから、途中で曲がらないと行けないんです」と得意になって言う。ところが「ここ」といって曲がった道が通り抜けられなそうな雰囲気。「もうちょっと向こうだったかも」と言って、引き返して海沿いの道を行くが、曲がる場所が分からず、結局行き止まりのところまで来てしまった。

 引き返して適当なところで曲がってみる。「前に通った道と違う」と言いつつも、抜けられそうなのでそのまま行ってみる。普通、観光客は来ない、農道のようなでこぼこ道なのだが、大きな島ではないので、適当に行けばどこかに出るだろう。

石の壁

 この辺りも石がいっぱい取れるところなので、柵の代わり石を積み上げて壁にしている。

アイリッシュ牛
この島も牛でいっぱいだ

アイリッシュ砂浜

 しばらく行くと砂浜に出てしまった。レンタサイクル屋に「ビーチを走った場合、保証金は返しません」と書いてあった。ちょっと心配するが、まあ塩水で錆びたら困るということだと思うから、水に浸けなければ大丈夫でしょう。

海がきれい
ここで自転車を止めて、しばし休憩。海がきれい

水がきれい
水がきれい。夏に来て泳いだら気持ち良さそう

かにのバラバラ死体
かにのバラバラ死体

 またでこぼこ道をしばらく行くと、ようやく舗装された道に出た。しかしここもまだ古賀君が前に通ったのとは違う場所だと言う。でも方角は間違ってないからそのまま行く。

砂浜2

 またしばらく行くと、ビーチがあり、その周りに観光客がいっぱいいる。ようやく普通の観光コースに戻って来れたようだ。

 もう少し行ったところに土産物屋などがあり、そこで軽く昼食。

スコーンとかサンドウィッチ
スコーンとかサンドウィッチ

ニーハオ?
土産物屋の前で語らう中国人

土産物屋
土産物屋の風景。アランセーターも売っている。

アランセーター
ご当地特産品アランセーター、拡大図

馬の足

 馬車がいたので撮ろうとしたら、なぜか失敗して足しか写ってない。

ドン・エンガス

 昼食が終わるとこの島での目的地、ドン・エンガスに向かう。ドン・エンガスは古代の遺跡で軍事要塞だったと言われているが、儀式のための聖地だという意見もあって、よくわからないらしい。しかしそんないわれがどうこうではなく、何がすごいかって、壁に囲まれた奥は90mの絶壁だと言うところだ。

 ドン・エンガスのビジターセンターで入場チケットを買い、自転車を置いて、ここからは歩いて行く。ドン・エンガスは小高い丘の上にあり、ちょっとした山歩き気分だ。

 ビジターセンターの中にはドン・エンガスの解説が各国語で書かれていて、日本語もあった。しかし長かったのでさっと読み流す。頭にはあまり入っていない。でも「ダン・アンガス」って書いてあったのは覚えている。

 歩いていくと道の脇に観光客相手のアコーディオン弾きのおっちゃんが座っていた。休憩中なのか、演奏はしていなかったのだが、僕らを見るとすぐ日本人だと思ったようで「コンニチハ、ドウイタシマシテ」と脈絡の無い日本語で挨拶して来た。

石灰岩

 この辺りも石灰岩の大地で岩肌が見えている。遠くには家が点在している。

 そしてドン・エンガスに到着。

ドン・エンガスに横たわる古賀君
絶壁の上で古賀君に寝てもらう

覗き込む
覗き込むとこんな感じ

横から
横から見るとこう。高さが伝わるだろうか。

 ここには柵など無い。下手すればいつでも落ちて死にそうだ。古賀君によればここや、翌日行くことになるモハーの断崖と言うところで、事故で落ちたり、自殺で死ぬ人が毎年必ず何人かはいるという。

 なのにナヨンはのんきに「ここから飛び込んでまっすぐ泳いだら韓国まで帰れるかな?」などと言っているので、古賀君があきれたように「ああ、行ける行ける」と相づちを打つ。「こういう子供っぽいこと言うんですよ、28にもなって」と古賀君が本人にわからないように日本語で言う。

 その後、別の話をしていて、古賀君が「やっぱりここから落ちたら死にますかね?」というので僕は「うん。死ぬか、韓国までまっすぐ泳いで帰るかのどっちかだね」といって二人で爆笑した。

帽子かな?

 さて、僕が絶壁の写真を撮ろうとしたとき、かぶっていた帽子が飛ばされそうだからと、脱いで置いておいたのだが、写真を撮っているときにナヨンが「大変大変、帽子が風に飛ばされちゃった!」と血相を変えて言うのである。驚いてあたりを見回したが確かにない。まああれも安物だし仕方ない。あきらめよう。むしろこんなところで飛ばされたのなら記念になるかな、と自分に言い聞かせる。

 ふと絶壁の下を覗き込むと波間に何か白いものが見える。「あれ帽子かな?」と聞くと、古賀君も「そうかもしれないですね」と。「サングラスといい、今回はいろいろなくしますね」と同情される。

帽子かな?

 しかし、あきらめて移動しようとしたときに、置いてあったリュックの下に僕の帽子が隠されていた。ナヨンの仕業だった。すっかりだまされた。じゃあ崖下のあの白いものは何だったんだろう。

絶壁の青虫

 この周辺は草が多いので虫も多いようだ。

絶壁の青虫
絶壁の青虫

 しかしナヨンは冗談抜きに大の青虫嫌い。ここに来るまでの道でも足下に青虫を見つけてはいちいち騒いで、避けて歩く始末。ところが僕は見つけてしまった。ナヨンの左肩のところに小さい青虫が潰れて死んでいるのを。おそらくリュックサックのストラップに挟まれたのだろう。

 後から気が付いたのだが、撮った写真の中に偶然その虫が写っているものがあった。

一見ほのぼの
一見、仲睦まじいカップルのほのぼのした写真のように思えるが

虫ーーー!

 左肩を拡大。緑色の小さいのがそうだ。このとき既に潰れて死んでいたものと思われるが、まだ原型を残している。

 古賀君には話してみる。ナヨンが日本語がわからないのが幸いだ。パニクって崖を落ちたりしかねないので「ここで本人に言うのは危険ですね。安全なところに行ってから話しましょう」と言う。

 素知らぬ振りをして下に戻ることにする。帰り道でもいちいち足下の虫を気にして、避けながら歩くナヨン。その度に「虫付いてるくせに」と冷ややかな目を向ける古賀君。古賀君と僕でなんか盛り上がってるから「何話しているの?」と気にするナヨン。古賀君が「秘密にしていることがあります。それは後で話します」と微妙に臭わせてみる。

 ビジターセンターまで戻って来た。ここからまた自転車に乗る。ナヨンは自転車の荷台に載せるためにリュックを下ろす。僕はまた見てしまった。ここに戻ってくる間、リュックを背負っていたために、虫がさらにぐちゃぐちゃに潰されてしまったのだった。緑色の体液みたいなのと、赤茶色い血みたいな色のシミが付いている。古賀君に話してみると「よけいまずいことになりましたね。こうなったら宿に戻るまで黙っていた方がいいかもしれませんね」と。

 結局虫のことはこの小旅行中、本人に伝えられることはなかった。僕の帰国後には話したのだろうか?

何年かぶりじゃ

 ドン・エンガスを後にする。この島の見所としては他に古代人の墓の跡なんかがあるのだが、古賀君が以前見て別に面白くなかったというので、港に戻ることにする。このときになってわかったのだが、僕らが行きに来た道は観光のモデルルートの帰り道だったのだ。ここから帰るのが結局楽そうなので、行きと同じ道を戻る。

 港に着いて船の時間までにまだあるので、パブで一杯。小高いところにあるそのパブは、外にも席があり港を一望しながら飲める。

 隣の席で一人で飲んでいたおじいさんがナヨンを見てなんか妙にニコニコしている。古賀君がそれを見て「おじいさん勃っちゃったかな」というので僕が「何年かぶりじゃ」と言ってくすくす笑う。

 その後また古賀君が「やっぱりまた見てますねぇ」というので僕もまた「何年かぶりじゃ」と言ってから、二人とも酒を口に含む。しかしその瞬間、古賀君が肩をふるわせてくすくす笑い出した。つられて僕も可笑しくなる。口にはお酒が入っている。めちゃくちゃ可笑しい、でもめちゃくちゃ苦しい。飲み込みたいのに飲み込めない。しばらく格闘の末、古賀君はなんとか飲み込んだようだが、僕は下に吐き出してしまった。しかも気管支にも入ってげほげほしてしまった。ナヨンは大丈夫かと心配しながらも、何がそんなに可笑しいのかといぶかしがる。

アイリッシュシチュー

 船とバスを乗り継いで僕らはゴールウェイに戻って来た。

 晩飯を食いに行く。古賀君が前回来たときに休みで食えなかった店があるというので行ってみる。また休みだった。

 気を取り直して、街一番の繁華街に行く。人が多い。店も多い。ここで僕はこの前食べれなかったアイリッシュシチューをリクエストしてみる。店頭に張り出されたメニューを片っ端から見て歩くと、ようやく一軒発見。周りにはパブやレストランといった店が多いのだが、ここは町の定食屋さんと言った感じだ。一人で食べに来ている人も多い。ディナーメニューは前菜かデザートどちらかとメインで、それぞれ何種類かの中から選べる。

スモークサーモン
僕が頼んだ前菜はスモークサーモン。一応これもアイルランドの特産

アイリッシュシチュー
そしてついにアイリッシュシチュー。普通にうまかった。

なんかのスープ
古賀君の前菜、なんかのスープ。

ターキー
古賀君のメイン、ターキー。

サラダ
ナヨンの前菜、サラダ。

チキン
ナヨンのメイン、チキン。

アイリッシュミュージック

 ご飯が終わって次のリクエストとして、アイリッシュトラッドの生演奏をしているパブに行ってみたいと言った。パブはこれまでに何度も行ったが、生演奏をしているのはまだ見たことがなかったのだ。今日は土曜なのでやっているところがあるはずだ。

 晩飯を食った店の店員さんに古賀君が聞いてみてくれた。店員さんはご丁寧に店の前まで出て行って、道順を教えてくれるのかとお思いきや、すぐ斜め向かいの店を指差した。ずいぶん近くて拍子抜けだったが行ってみた。中に入ると演奏が聞こえて来た。しかし混んでいて席が空いていなかったのでそのまま店を出る。まあ一応ちらっと見れたので、生演奏付きパブはこれでよしとする。

 他にやりたいこともないので、とりあえず今日泊まるホステルの近くまで戻ろうということになった。

ギター、アコーディオン、イリアン・パイプ、ボーラン

 道すがらストリートミュージシャンや大道芸人を見かける。そういえば飯食っているときも店の外で三点倒立している人が見えた。あれはどういう芸だったのだろう。

 楽器屋があったのでショーウインドウを写す。

楽器屋1

 アコーディオン、コンサルチーナ、ハープ、ギターの後ろにマンドリンも隠れています。

楽器屋2

 ボンゴ、ボーラン、ボスのチューナー、ちっちゃいハープ、タンバリン、オベーション。

楽器屋3

 バンジョー、エレキバイオリン、サックス、さっきの写真でも写ってるけどサンバーストのギターのちっこいのみたいのは何だろう。複弦4コースなのでマンドリンかなぁ。

楽器屋4

 ハーモニカ、アコーディオン、カリンバ。あと写ってないけどブズーキなんかもありました。

トイレの落書き

 それからホステルの近くのパブで飲む。

Fuck

 このときパブのトイレに行ったのだが、壁に落書きがあった。世界中やることはみんな一緒だ。

 ちなみに相手を挑発するときにやる中指を立てるホーズあるじゃない? あれは指二本でも同じ意味になるんだそうだ。だからお店で何か注文するときに、ふたつって言うつもりで、人差し指と中指を立てて、手の甲側を見せるとまずいことになるんだそうだ。ちゃんと手のひら側を見せれば大丈夫。

 じゃあタバコを指すサインはどうなの? と古賀君に聞いてみたところ、う〜んとうなって「口元に付けていればいいんじゃないですかね」

 もう一つ余談だが、男子トイレで例えば便器が小用二つと大用一つあったとする。一人が小をしていたとする。そこにもう一人、小をしに入って来たとする。するとアイルランドでは小の方で横に並んでしないで、なぜか必ず大用に入るんだそうだ。なんでだろう。僕も実際にそういう場面を見た。さらには僕がその二人目だったときがあったので、そのときは僕もアイルランドの流儀に習い、大用に入った。

ケベックと眠れぬ夜

 ホステルに入る。昨日の受付のお兄さんに挨拶して、部屋に入る。ドミトリーで8人部屋だ。すでに荷物が2人分ある。どうやらどこかへ出かけているようだ。

 しばらくするとその二人が帰って来た。ケベックから来たというカップルだ。この兄ちゃんの方がめちゃくちゃハイテンションで面白い人だ。やたら「ヒョーヒョー、イエー」などと子供のように叫んでいる。古賀君と意気投合し部屋を出てタバコ吸いがてら、いろいろ話し込んでいたようだ。

 みんな戻って来て寝ることになった。ベッドはまだ3つ空いているので、後からまだ人が来るかもしれないが、とりあえず消灯。

 すると間もなく人が入って来た。二人組のようだ。しばらく自分のベッドがどれかわからないとうろうろしていたが、ベッドに入るとたちまち眠ってしまった。すると突然大いびきをかき始めた。あまりのうるささにみんな眠れないみたいで、ケベック兄ちゃんも古賀君にすごいなこれと話しかけている。

 しばらくしても収まらないので、しびれを切らしたケベック兄ちゃんが起きて来て、いびきをかいているやつの体をたたいて起こそうとする。全く起きる気配がない。次に姿勢を変えていびきを止めようとするが動いてくれない。しまいには足の裏をこちょこちょしてみるがそれでも起きない。あきらめてベッドに戻る。

 またしばらくするともう一人のやつもいびきをかき始めた。大合唱だ。まあそんな状況だったのだが、僕はいつの間にかうとうと眠っていた。