独断と偏見による
最終更新2003/6/13
コンビニでバイトをしていると嫌な客がいる。誰が見ても明らかに不愉快な客というのは論外だが、ちょっとした態度や言葉遣いが気になることもある。
もちろんコンビニの店員の質の低さは分かっている。逆の立場でみれば嫌な店員というのも確かにいる。接客態度に対するクレームも多い。店員の態度が悪いから、客も気を使わなくなり、ぶっきらぼうな態度で自分の用を済まそうとするのかも知れない。またむかつく客がいるから、やる気のない店員が増えるのかも知れない。これはもう卵が先か鶏が先かの循環論法に陥っているわけで、この状況を打破するためには、まず誰かが、どんな嫌な相手であっても最大限の誠意を持って接することを始めなければならない。相手を許し、待ち、そして信じることを始めなければならない。普通に考えたらまあ店員がはじめにやるべきなんだろう。
僕自身はコンビニの仕事には自信と誇りを持って取り組んでいるし、誠意を持って接客しているつもりである。しかし実際には疲れている時もあるし、眠い日もあって、完璧だとは言えないが、ここではそういった自分の否は棚にあげて、純粋に店員の立場で客に対して思っていることを述べていきたいと思う。
そもそも物の価値観は十人十色であり、ある人が普通のこととして何気なくした行為が、別の人に不快感を与えることもある。もちろん法に触れる行為や一般通念上不道徳(この範囲を定義するのは難しい問題だが・・・)とされる行為は是認されるべきではないが、個々人の価値観は尊重されるべきだと思うし、また他人の価値観を強要されるべきではないと考える。
ここによって僕は日頃コンビニにいてむかつく客がいても、立場上決して口に出して相手を非難するようなことは無いけれども、心の中ではこうあるべきだという理念を常に持っている。
このようなことを踏まえ、このページでは僕、山寺和尚の価値観に基づく独断と偏見による正しいコンビニのマナーというものを構築したいと思う。つまりここでは僕の価値観がすべてであって、みなさんの価値観とは符合しないものがあるかも知れないが、クレームはいっさい受け付けない。
くり返すが、このページは単に僕の考えを述べたものであって、それが一般論として正しいと主張するものではないし、人に強要するものでもない。ただ、もし共感する内容があれば心に止めておいて、次にコンビニに行った時は店員はこんなことを考えているんだなあと思い出していただければ幸いである。
コンビニに限らず商店一般に言えることだが、店の側からすればコンビニとは基本的に
であるといえよう。この2つの概念を以下に説明しよう。
基本的にコンビニは商品を売る場所である。それ以外の業務はあくまでもサービスでやっているのである。商品を袋に入れたり、割り箸やストローをつけたり、カップラーメンのお湯を用意したり、道を教えたり、などなど。また店によってはやっていないが僕の店ではトイレも貸している。これらの行為は直接売り上げにならない。つまり店側からすればやらなくてもいい仕事であるが、お客さんの便宜をはかってやってあげているのである。だからこれらのサービスを受ける時には感謝の気持ちを持っていただきたい。
コンビニで袋に入れてくれるのは当たり前ではないのである。本来買い物袋は自分で持ってくるべきものなのである。コンビニはわざわざお客さんにただであげるために、余計な経費を出して袋を仕入れているのである。
トイレを貸さないコンビニに腹を立ててはいけない。それが普通の姿であって、トイレを貸してくれる店がもっと感謝されるべきなのである。
コンビニはお客さんがいつでも入れるように解放されてはいるが、基本的には人の家だと思ってもらいたい。だから黙って入ってきて、何も買わずに黙って出ていくことは大変失礼である。
例えば知り合いの家に行ったとしよう。その家に入る時、普通そこの家人が「いらっしゃい」といい、客は「おじゃまします」と言う。コンビニも同じで店員は「いらっしゃいませ」という。客は言葉に出せとまでは言わないが、せめて心の中では「おじゃまします」という気持ちを持ってほしい。
探していた商品がなくて何も買わずに帰るのは仕方ないことだけど、そんな時でも「おじゃましました」という気持ちは忘れないでいただきたい。
黙って入ってきて、勝手にトイレを使って、黙って出ていくなどは言語道断である。自分の家に通りがかりの人が黙って入ってきて、勝手にトイレを使って、黙って出ていくということを考えてみてほしい。一言「トイレ貸して下さい」と言ってくれればこちらも気持ちよく貸せるものを。
客はもっと謙虚になるべきだ。以上の2点を踏まえて以下に具体的な事例をあげていこう。
僕のバイトしている店ではお客さんにトイレを貸している。トイレの扉には「御利用の際には従業員へ“一言”お声をおかけ下さい」と書いてある。実際「トイレ貸して下さい」と言われても「どうぞ」と答えるだけなのだが、それこそが最低限必要なマナーだ。
また基本概念1に乗っ取って考えれば、トイレを貸すこと自体はコンビニにとって何の利益にもならない。それでも貸しているのはトイレを借りた客がその見返りとして何か買っていくことを期待しているからだ。
だから正しいトイレの借り方はこうだ。
まず、コンビニはトイレを貸すことが業務ではないことを大前提と考えれば、必然従業員に対して「トイレお借りできますか」という聞き方になるはず。「貸して下さい」という言い方も何も言わないよりは数段ましだが、多少図々しさが残る。そしてトイレを出たら何かを買う。何も欲しいものがなければガム一個でもいい。そして最後に従業員に「(トイレをお借りして)ありがとうございました」という。もしくは感謝の気持ちを持ってせめて会釈ぐらいはする。どうしても買うものがなければせめてお礼だけは言うこと。
これも基本概念1だ。お弁当を温めるのはサービスだ。親切でやってあげているのだ。だから「温めますか」と聞いた時に「当たり前だろ」みたいな横柄な態度を取られるとムカッとくる。こっちは温めるかどうか分からないから聞いているのに、本人の中では温める(もしくは温めない)のが当然のこととして合点がいってしまっていることに問題がある。
また、ただ「はい」と言われるのも上記と同じ印象を僕は受ける。しかし「はい」の件に関しては他の店員にも聞いてみたが、みんなあまり気にしないようだ。気にしているのは僕だけかもしれないが。
だから正しい「温めますか」の返答はこうだ。
温めてほしければ「お願いします」、温めなくていい時は「結構です」または「このままでいいです」と言うべきだ。
コンビニは防犯上の理由からレジの中にそれほど多くの釣り銭を用意しているわけではない。かつてコンビニ強盗が多発した時にこういう対処をする、とニュースなどでも報じられていたと思う。そのせいもあってかコンビニではあまり一万円札を使って欲しくないというのはある程度一般的に認知されているようだ。実際申し訳無さそうに「大きいのしかないんですけど…」と言ってくれる客もたくさんいる。
しかしそういったことにはお構い無しな人もいる。確かに一万円札だからといって、釣り銭が足りないというようなことはなるべく起こらないようにしてはある。とは言えやはり一万円札はあまり歓迎されざるものなのだ。
だから正しくはこうだ。
なるべく大きいお金は使わないようにするか、どうしても一万円札しかない時は遠慮がちに使うこと。
上とは逆に小銭をじゃらじゃら出すやつも嫌だ。特に店が混んでいてレジに客が並んでいるような状態でじゃらじゃら出されると迷惑だ。店がすいている時でもやっぱり嫌だ。手間なのには違いない。
商法だかなんだか忘れたが、法律で「同一硬貨20枚以上は受け取りを拒否することができる」という規定があると聞いたことがある。つまり一般的に言っても小銭じゃらじゃらはいかんのです。
また細かい硬貨を商品の金額ちょうど分用意してきて、カウンターにおいてとっとと出ていく客も困る。130円の新聞を買う時、十円玉13枚持ってきて、自分では分かっているからいいがこっちは数えて確認しなくてはならない。小銭をたくさん使う時はこちらが確認するまで待つこと。もしくは百円玉と十円玉3枚持って来ること。
放り投げると言ってもそんなに遠くから力一杯投げて来るわけではないが、僅か数センチでもポンと投げられると嫌な気分である。まるで「ほらくれてやるぞ、この金の亡者め」と言わんばかりだ。もっとていねいにすっと置くのが基本だ。
またどうしても手に渡そうとするやつがいる。こっちが商品の袋詰めをしていて両手が塞がっているというのに、それでも渡そうとする。こちらに気を使ってくれているのが分かるのでお金を直接渡そうとする行為そのものは悪くはないが、相手の状況を把握した上でのことにしてもらいたい。
理想のお金の出し方はこうだ。
カウンターの上にまず細かいお金を出し、あとから札を出す。そして払うお金が揃ったところで改めて店員の方へお金を押し出し、「これでお願いします」と添える。直接渡されるよりカウンターに置いた方がいいのは、お金を見やすくするためであり、先に細かいのを出すのは、札が先だと細かいのを出す意志があるのか、その札で釣りをもらうつもりなのか一瞬判断しかねるからである。
コンビニでは一日に何度も荷物の納品がある。納品があるとまず検品といって予定通りの商品が納品されたか確認する作業がある。そして検品が終わると、店頭に品出しするのである。ところがこちらが検品する前に勝手に黙ってケースから商品を持っていくやつがいる。たいていは気がついて何を持っていったのか確認するので、ことなきを得るのだが、もし気付かなければ予定の商品が来ていないということで、大騒ぎになる。
だから正しくはこうだ。
品出しする前のケースに入ったままの商品は基本的には持っていかないこと。欲しいものがある時は、持っていっていいか店員に確認すること。
僕は深夜働いている。夜勤は一人勤務だ。夜間は客数は多くないが、納品があってかなり多くの時間を品出しに費やす。深夜の客は長い時間雑誌を立ち読みし、最後にジュースや食べ物を買っていくというパターンが多い。だから客が店に入ってきたとしても、「いらっしゃいませ」といった後はまた品出しを続ける。
ところがふと気付くといつの間にか客がレジ前に立っていることがある。こっちが気付くまでぼーっと待っているのである。なぜ一言声をかけてくれないのか。呼ばれればすぐに行くのに。こっちもなるべく客の動きには注意してはいるがはっきりいって品出ししながら気を配るのはすごく疲れる。ひどいのになると人が品出ししている横を何も言わずに通り過ぎ、レジ前でぼーっと待っているやつもいる。
他の作業をしていて店員がレジにいない時は必ず「レジお願いします」と声をかけよう。
僕の店では取り立てて携帯使用禁止ということは言ってない。しかし使っていいとも言っていない。基本概念2コンビニは「その店鋪の所有者の私的な場所」であることを踏まえれば携帯の使用はマナーに反する。人に家に行って、そこの家人を無視して携帯で誰かと話ているのは異様な風景である。コンビニは買い物をする場所、買い物に集中すべきだ。
しかももっとひどいのは携帯で話ながらレジに来るやつだ。レジは明らかに店員と客が対話をすべき場所であるのにそれを無視している。こちらが「いらっしゃいませ」「お弁当は温めますか」「お会計○○円です」「○○円のお返しです」「ありがとうございました」と言っているのは誰のためだと思っているんだ。全くやる気をなくす。そういうやつが来た時はこちらも何も言わないか、もしくは電話の向こうにも聞こえるよう、いつもよりでかい声で対応することにしている。
店内での携帯の使用は自粛すべきだ。
以前店内にいた客の携帯電話が鳴った。その人は気を使って慌てて店の外へ出ていった。こういう態度はうれしい。
上の携帯の件とも関わるが、ヘッドホンをして音楽を聴きながらレジに来るのも、まるでこちらの話を聞く意志がないことを表明しているようであり、大変失礼だ。
レジ前にいる間だけでもヘッドホンははずしてこちらの話を聞きなさい。
最近「ジベタリアン」という言葉が有ると聞いた。これは町中でもどこでも平気で道端に座り込んでたむろしている若者を指す。こういう連中が最近増えているらしい。本人達に言わせると「店に入ると金がかかるし、立ってると疲れるから」道端に座るのだそうだ。これは年々子供の体力が衰えていることと関係あるらしい。立っていることに耐えられないのだ。古い価値観の人は道端に座り込むのをみっともないことだというだろうが、僕はそのこと自体は気にならない。
しかしコンビニで座り込んで雑誌を読まれるのは腹が立つ。「立ち読み」はある程度市民権を得てしまったと思うので、百歩譲って容認しよう。だがそもそも立ち読みさえ歓迎されざる行為であるのに、いわんや座り読みをやである。
基本的にコンビニは「その店鋪の所有者の私的な場所」なのだから立ち読みでさえ遠慮がちにするべきだし、座り込むなどの自分の家であるかのような行為は慎むべきだ。
上の座り込みの項でも述べたが、僕は一応立ち読みは容認する立場を取る。しかし基本的に好ましからざる行為であることには違いないわけで、迷惑のないようにして欲しい。雑誌ははじめ店員によって整然と並べられていたはずである。整然と並んでいれば客にとっても見たい本が探しやすいはずである。なのに気がつくとめちゃくちゃになっている。なぜ読んだ本を元の位置に戻せないのか。客一人一人がちょっと気を使ってくれれば、いつまでも雑誌は整然と並んでいるはずだし、次の客も見やすいし、自分自身が次に来た時だって快適なはずだ。
せめて自分が立ち読みさせていただいた雑誌くらいは元の位置に戻そう。
コピーをしたいのに札しかないなど、店内での用事のために必要なら遠慮なく頼んでかまわない。しかしコンビニは銀行ではない。だから基本的に両替に応じる義務はない。それでも両替に応じることもあるのはたまたま両替してあげられる条件が整っていたからだ。
例えば友達が千円札を百円玉10枚に崩したいとしよう。自分の財布を見たらたまたま百円玉が10枚あった。普通ならそこで両替してあげるはずだ。しかし自分の財布に百円玉がちょっとしかなかった、あるいは10枚あるけど自分で使う必要がある、といった場合には両替できない。
コンビニもこれと同じでたまたま両替してあげても問題ない時には、両替してあげているのである。コンビニが用意しているお金は、正当に店内で御買い物をされたお客さまに対して釣りを払うためのものだ。だから釣りを払えなくなる可能性がある時には両替は断って当然だ。
実際のところ千円札を百円玉10枚に、あるいは百円玉を十円玉に崩してくれという少額の両替にはほとんど応じる。しかし何千、何万円分もの両替や、小銭を何十枚、何百枚と持ってきて大きいのにしてくれというのは応じかねる。何万円分もの釣り銭を渡してしまうとこちらが困るし、何百枚もの小銭はコンビニにとっても邪魔なだけなのでもらいたくない。
ゆえに基本的にコンビニで両替はしないこと。どうしても必要な時は何か商品を買い、その釣り銭をもらう。
初めに言っておく。レシートはお客さん、あなたの物です!お客さんからお金をいただいた証明として店が発行しているものなのだ。だから店員はレシートをお客さんに必ず渡さなければならない。一度受け取ったレシートは捨てようが、煮ようが焼こうが構わない。なぜならレシートはお客さん、あなたの物なのだから。
ところが、どうしても受け取ろうとしないやつがいる。それも「レシートはいいです」とか「結構です」と言ってくれれば、無理に渡さずにこちらで処分することもできるのだが、何も言わないで嫌な顔をしたり、手の動きだけでレシートを拒絶するやつがいる。
僕はふつう右手にレシート、左手に釣り銭を持ってお客さんの手の上にレシート、釣り銭の順に乗せるようにしている。ところが僕の右手を避けるようにして、左手の釣り銭だけを受け取ろうとするやつがいる。
以前、レシートと釣り銭を今まさに客の手に置こうとしている瞬間に客がレシートを嫌って手を動かしたものだから、釣り銭がバラバラと散らばったことがあった。客は仕方なく落ちた金を拾い集めていた。僕はざまぁみろと思い、なんだか爽快な気分だった。
レシートがいらないなら、「レシート結構です」などとはっきり口に出して言うこと。
最近寒くなったので夏場よりは減っているが、買ったものを店の前で食って、ゴミを散らかしたまま帰るやつがいる。店の前で食うな!とまでは言わない。しかしコンビニは「その店鋪の所有者の私的な場所」なのだから、お借りした場所は元通りに戻して帰るべきだ。幸い、ふつうコンビニの店頭にはゴミ箱が設置してあるはず。そこに入れるだけでいいのだ。それくらいのことはできるだろう。
僕の店には駐車場がある。ある夜、車が一台も停まってない駐車場のまん中当たりにカップラーメンのカップや、お弁当の空き箱といったゴミが点在していた。なぜこんな位置にゴミが?と思ってゴミの配置を眺めていたら分かった。どうやら客が車を停めて、その中で弁当などを食った後、ドアを開けて、そこにゴミを置いて去っていったようである。ちょうどゴミの間隔が車の幅だったのである。
一般人の環境問題に対する意識というのはどの程度のものなのだろう。友達から聞いた話では、車は40秒以上停車するならエンジンを切ってしまった方がいいらしい。はっきりした条件は聞かなかったが、ガソリンの消費や排気ガスの放出、エンジンの再始動にかかるエネルギー量などトータルで計算した上での事だと思う。40秒というのもちょっとうろ覚えだし、車種によっても違ってくるだろうが、とにかくちょっと長めの信号待ちや、踏み切り待ちの時でも切った方がいいということだ。
お役所からの指示があるからだろうが、バス会社や運送会社など車を業務で使っている会社はアイドリングストップという意識がだいぶ根付いたように思う。ファミリーマートの配送の車も騒音に対するクレームもあるからだろうが、エンジンを切っていることが多いと思う(運転手にもよるのだが)。最近のバスは信号待ちでも(自動的に?)エンジンを切っているものもある。
ところが一般人の意識はどうだろう。うちの店には駐車場があるのだが、コンビニで買い物している間中、エンジンかけっぱなしの人が結構いるように思う。まあ、これに関しては地球環境が破壊されるだけで済む問題だが、さらなる問題を投げかける輩もいる。
それは、店の入り口正面にバックで車を着けて、しかもエンジンをかけっぱなしにして買い物をしているやつである。おかげで店内は排気ガスが充満し、臭いやら息苦しいやら。
これは実際あった話。レジをやりながら、ぼくは一緒に働いていた上司に「排気ガス臭いですねえ。入り口の真ん前に車止められちゃいましたよ」と言った。するとちょうど今、レジにいて、そのやり取りを聞いていたであろう客が店を出てその車に乗った。上司が僕に「今のお客さんの車だったよ」と少し慌てたふうに言ったが、ぼくは「そうじゃないかなぁと思って」と。嫌な店員である。
現在僕の店では、朝の通勤時間帯に間に合うように、中華まんを作りはじめる。中華まんは蒸し上がるまでに大体50分くらいかかる。その間、蒸し器の正面には「只今加熱中です。しばらくお待ち下さい」という札をかけてある。
それにも関わらず、肉まんを注文するやつがいる。
以前、什器の上部の方に札を貼ってあったときに注文されたことがあったので、目に入らなかったのかなと思い、その後は正面の、肉まんを覆い隠すような位置に貼るようにした。この位置であれば、「肉まんあるのかな」と中を見ようとした瞬間に必ず、「加熱中」の札が目に入るはずである。これ程はっきりと邪魔な位置に、しかもよりインパクトを持たせるため、わざと傾けて貼ったりしている。
それにも関わらず、肉まんを注文するやつがいる。
彼らは一体どこに目を付けているのだろうか。「肉まんが食べたい」と思ったら、もはや肉まん以外の何ものも目に入らなくなってしまうのか。それともそういった人たちは特殊な透視能力を持ち、どんなにぶ厚いコンクリートの壁越しにでも肉まんを見つけることができるとか。はたまた、単に注意力がないだけなのか。
コンビニに限らず、表を歩いているときだって注意力がなければ事故の元である。つねに周りの状況を把握し、正しい判断ができるように注意力を育てよう。
ひさしぶりに新種のむかつく客が出現した。営業マン風の中年男性が深夜、弁当を手にレジに来た。僕がレジを打っているとやつはこう言った。「あの〜、大変申し訳ないのですが30分くらいでいいので携帯を充電させてもらえないでしょうか」
僕はとっさにそんなことはコンビニの業務ではないと思い、断っちゃおうかなと考えながら、渋い顔をしていたら「お願いします、これ使えないと困っちゃうんです、お金だったら払ってもいいですから」などとごねられた上、ちゃんと人にものを頼む口の聞き方もしていたので、仕方なく引き受けてしまった。やつは後で取りにくると言い残して、弁当を食いに車に戻っていった。
僕はなぜその客を嫌だと思ったのか、考えてみた。そもそも充電させてやることはコンビニの業務でないばかりでなく、電気をあげるのだから却って店の損失である。それに一度このようなことを認めてしまうと他の客が来た時もやらなくてはならなくなる。でも携帯の充電くらい大した損失でもないし、そもそも僕自身が損をするわけではないのだからまあいいかと思ったのだ。
しかしなんか腑に落ちない。携帯が使えないと困るのならふだんからちゃんと管理しておくべきだし、それに公衆電話じゃダメなのか!? そう考えるとまたむかついてきた。さらに納得できない決定的な理由が判明した。コンビニには携帯電話に乾電池などを付けられるグッズが売っているのである。そういうものを買え!!
暫くして戻ってきたやつに僕はそういう商品も売っていることを話した。するとやつは得意げに言った。「ああ、それ、何個買ってもダメなんだよ。合うのがないんだよね。」だったら携帯買い替えろよ! 頼みに来た時の腰の低さとは打って変わって、充電さえしてしまえばこっちのものと言わんばかりにやつの態度はでかくなっていた。そして金を払おうなんていう素振りは全く見せず立ち去っていった。きっとそこいら中のコンビニで電気をもらい歩いているのだろう。
最初は普通の客だった。しかし、急にいちゃいちゃし始めた。深夜1時頃だった。暫くすると店から出ていった。このくらいならまあなんてことない良くいる客だが、やつらは戻ってきた。朝5時頃に。男が女を後ろから抱きかかえる姿勢のまま入店してきた。そして抱き合ったまま店内をうろついたり、一ケ所に留まったりしながら、6時半頃までいた。右の写真は本人に気がつかれないようにこっそり撮ったものだ。朝のその時間になると普通の客もけっこうくる。どの客もそのカップルが気になるらしくちらっと見ていくが、本人達はいっこうにお構い無しだ。
僕個人は公衆の面前でべたべたするのは嫌いだし、他人がそうするのもあまりいいとは思わない。でも他人に迷惑をかけるのでなければ、あとは本人達次第だし周りがとやかく言うことではない。
しかし、ここはコンビニである。御買い物をするところである。あなた方にどんな事情があったか知らないが、こんなところで抱き合わなければならない理由がわからない。お互いの愛を確かめるのは人の見ていないところでしなさい。
最後に彼等はホットココアを一本買って出ていった。レジに来た時も男が女を後ろから抱きかかえるような体勢であったが、どうやら女の方がすごく眠かったらしく、くたっとしていた。なおさらこんなところにいないで、ちゃんと寝なさい。
以前、どこかのコンビニで酒を買って飲んだ高校生が酔っぱらって海に落ちて死ぬと言う事件があった。そのときお酒を販売したアルバイト店員本人とその店の店長が書類送検された。未成年に販売したと言うことで売った側が罰せられたのである。
僕の店でもお酒を販売しており、事件とまでは行かないが警察沙汰になったトラブルがあったため、身分証の提示など年齢確認を徹底することとなった。何でも未成年にお酒を販売した場合、売った本人が50万円くらいの罰金刑となることがあるらしい。
でもハッキリ言っていちいち年齢確認をするのは面倒だ。それに聞かれた方も嫌な顔をする。嫌な顔をされればこっちだって不愉快だ。さらには「売り上げあがるんだからいいじゃんかよ」などと逆切れするやつもいる。でも刑事罰の方がいやだ。
だからガキは最初から買いにくるな。お前らがアルコールで体壊そうが警察に捕まろうがそんなの知ったこっちゃない。ただ自分自身が罰せられたらいやだから、販売しないのだ。
ちなみに親のお使いであっても売ることはできないので、大人は子供に買いに行かせるな。
「李下に冠を正さず」と言うことわざがある。「瓜田に履を納めず」でもいい。人に疑われるような紛らわしいことはするなと言うことである。
よく他の店で買ったジュースや雑誌を手に持ったまま店に入ってくるやつがいる。袋に入っているのならまだいい。そうではなくて裸で持ってくる場合だ。店員は客の持ち物をいちいち監視しているわけではないから、出て行こうとしている時に初めて気が付いたとしたら、万引きじゃないかと疑うのは当然だ。
また商品を持ってレジにきた時、雑誌だけレジに出さずいたら、店員としては確認せざるを得ない。まれに手にたくさん商品を持ってきて、腋に挟んでいた雑誌をうっかりレジに出し忘れてしまう客もいるからだ。するとそれが持ち込んだものであれば「あっ、これは違います」などと当たり前のように言う。そう言われれば一応客を信じてそれ以上は突っ込まない。でもそれって変じゃないか? そんな紛らわしいことするなよ! 本来なら違うって言う証拠を出すべきではないのか?
ある朝、サラリーマン風の中年男性が新聞を手に持って入ってきて、さらに新聞を一部買いにレジへきた。僕は持ち込んだところを見ていなかったので、確認の意味でかなり丁寧に「そちらは違いますか?」と訪ねた。するとそいつはすごい勢いで「失礼だな、君は!」と逆切れした。何だこいつは、失礼なのはどっちだと僕は思ったが、はじめから疑っていたわけではなかったので、丁寧に「申し訳ございません」と詫びた。すると向こうは急に冷静になって、疑われても仕方がないと言う、自分の立場に気が付いたのか、何か気まずそうにそそくさと出て行った。
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