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つい最近のことだろうか。
カフェがマイブーム。
先週、国道24号線を北上し、京都の大久保から宇治を通り、天ケ瀬ダムをぐるりと回って滋賀に入った。
そこから琵琶湖の西側をさらに北上。
観音寺を通り、びわ湖大橋から伸びている道で左折。
比叡山大霊園の横の道を上がったところにある「ブルーベリーフィールド 紀伊國屋」さんに行った。
まだ先週が、史上最強の9月になると思わなかった頃。
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まわりは何もない。
田舎。
というより、山の中。
でも車がいっぱい。
そこにはレストランとカフェがあった。
『ブルーベリーフィールド 紀伊國屋』さん
http://www.bbfkinokuniya.com/
(勝手にリンクすみません)
そのお店のオーナーさんはダンナさんを亡くされた時、ブルーベリーの木が1本あったそうな。
その木を大切に育て、今ではお店の周りはブルーベリー畑。
低いブルーベリーの木々が、そのお店を守っているよう。
カフェのベランダからは、琵琶湖が見えた。
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今週、行ったのは、「sewing table」さんというカフェ。
「sewing
table」という名前の通り、洋裁学校の敷地内にある。
場所は大阪。枚方の星ヶ丘。
車で目指したぼくは、一度通り過ぎた。
それほど、そのカフェはありきたりな新興住宅地にあった。
細い急な坂道を車がひっきりなしに通る。
ぼくはその1台の車として、お約束のように通り過ぎた。
もう一度京都から来た国道307号線に戻り、左折して1号線に入り、さらに左折して168号線。そして京阪星ヶ丘駅の南の端にある道に出て、細い道を東へ上がった。
なぜもう一度戻ってさがそうとしたのか。
それはインターネットのホームページでこういうページを見ていたからだ。
『SEWING TABLE CAFE』さん(勝手にリンクすみません)
http://www.geocities.co.jp/Foodpia/3594/cafe/sewing/sewing.html
感じいいでしょ。
〈さて、ここからはいつものようにいろいろ書きません。このカフェに関してはあたしの感じた事を書くよりも、皆さんに写真を見て頂いていろいろ想像して頂けたらと思うので。未熟なカメラマンの写真ではありますが、ここの気持ちよさは、多分、伝わると思いますので。〉
という紹介文にもひかれた。
だからどうしても見つけたかった。
地図では近くらしき小さなスーパーの駐車場に車を止め、歩いた。
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ぼくはやはりもう一度通り過ぎていた。
目印となる「星ヶ丘洋裁学校」の看板は、坂道をのぼりきったところの電信柱の上に掲げられていた。
その看板は車からでは見えない。
木々にさえぎられているし、その上、その看板は太陽の光で輝いている。
看板に沿って歩いた。
「星ヶ丘洋裁学校」の校門らしきものが正面にあった。
しかし、あるのは校門とその右奥に駐車場の看板。左側には洋裁学校の教室らしき建物。
教室らしき建物の前に、「sewing
table」の白い文字が木の板に書かれていた。
矢印は教室の奥の方を向いている。
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左にある教室をぐるりと回る。
教室の続きにある「トイレ」の文字。
まだここではなさそう。
もう少し奥まで歩いた。
左側に、白い不思議なテントがたくさん建てられている。
一瞬、「ここはパナウェーブ研究所が関係しているのか」という不安が頭をよぎる。
もう少し奥へ歩いた。
右側に納屋があった。
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まさかと思ったが、その納屋が「sewing
table」さんだった。
4人の人がその納屋の中にいた。
困ったことに、ぼくは誰がお店の人かわからない。
奥にバンダナを頭に巻いて立っている女の人がいた。
「あの人かもしれない」
納屋の前で立ち止まっていたぼくは、その人に近寄ると、左の奥にあるテーブルに案内された。
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テーブルは、ぼくが小学校の時に使っていたような木の勉強机。そして椅子。二人掛け。
明かりは、自然な太陽の光。反射させるのは納屋の白い土壁。
空調は、自然の風。小さな野原を越えて吹いてくる。
そしてその風は、白いのれんを揺らし、時々、吊り下げてある木管を鳴らす。
スピーカーを探した。
上の方から、緩やかな沖縄音楽のような音が流れていた。
「BOSE」のスピーカーだろうか。何度も上を見た。
上には、白熱電球。その上には、白い土壁で支えられた天井。それしかなかった。
ぼくはグリーンティーを頼んだ。
少し甘め。手作り風のカップ。
ぼくが飲んでいる前には、近所のおばあさんの写真の写真。
その写真は、何枚も展覧会のように額に入れられている。
京都の直指庵(じきしあん)にある「想い出草」のようなノートが置かれていた。
「一度通り過ぎました」と書いた。
忘れずに、「展覧会」の主人公のおばあさんにあて、「お元気で」とオッホの名前を添えて書いた。
カランカラン。
木管がどこから聴こえているのかわからない沖縄音楽に合わせて鳴った。
「お勘定を」
ぼくは、納屋の入口で庭を耕かしているお店の女性にそう言った。
そしてようやく見つけた。
沖縄音楽は、ぼくのテーブルのすぐ左。
机と思っていた大きな古いスピーカーから流れていたものだった。
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帰りにぐるりと回った教室で展覧会が開かれていた。
靴を脱いで上がった。
「関係ないぼくが入っていいのかな」
そう思ったが、教室に入って、すぐ右のテーブルで受付をしているらしき人に、会釈をしてごまかした。
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〈柔らかい気持ちで柔らかくわかって欲しい事柄
楽しむことのできる風景を思い出すことができますか
気がついた風景の中にいったい何を見ようとしたのか考えたことがありますか
いつも、いつまでも、しかし、それでも
探っていくとうきうきするような音楽に出会うということはありますか
歌っている相手の顔がスピーカーの中で恥ずかしそうに笑っているのがわかりますか
そわそわ、もっとも、目がときどきしばしば
書いている文字の形に疑問をもったことがありますか
気持のこっちにもあっちにも伝わらないと感じたことはないですか
じっと、いつまでも、しかし、それでも
柔らかい気持で柔らかくわかって欲しい事柄〉
(『A HUNDRED
POEMS』永井宏さん著・ウインドチャイム・ブックス発行)
そんな詩と、その詩と共にカラーの絵が描かれていた額がたくさん掲げられていた。
たまたま入った展覧会だったのに、そんな詩たちが目に入ったものだから、永井宏さんが書かれた『A
HUNDRED POEMS』を1200円(税込)出して買った。
受付の人に、「これで許してね」という気持ちもあったかな。
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〈探っていくとうきうきするような音楽に出会うということはありますか〉
あります。すごい音楽に出会っています。
〈歌っている相手の顔がスピーカーの中で恥ずかしそうに笑っているのがわかりますか〉
あります。すごくわかる時があります。
〈書いている文字の形に疑問をもったことがありますか〉
あります。すごく疑問を持った時があります。
〈気持のこっちにもあっちにも伝わらないと感じたことはないですか〉
すぐには伝わらないと思うことはあります。でも、伝わっていると感じることの方がその何倍もあります。今もすごく伝わっていると感じています。
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きっといつまでも心に残るカフェだと思います。
そして、時間が経てば、跡形もなく消えてしまうお店かもしれません。
もしこのカフェがずっと残るとしたら、それは村上春樹さんの小説の中かもしれません。
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倉木麻衣さんと、そして倉木さん以外の話題で接点がないという方、そして、大阪・堀江にあるhills
パン工場のCDを聴いてカフェに目覚めてしまった人にお薦めいたします。
でも店内では静かに時間が流れているので、もし行かれるのであれば、あまりおしゃべり好きではない友達と一緒か、または一人で訪問してほしいと、ぼくが頼んでしまうカフェでした。
(永井宏さんに関する展覧会は、あ、14日まで。月曜休館だったので、今日が最後でした)
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『永井宏 - windchime
letters』さん(勝手にリンクすみません)
http://members.jcom.home.ne.jp/windchime/
あ、星ヶ丘のことが書かれている。
あ、今日、もう少しいてたら、永井さんに会うことができたんだ。
『SEWING TABLE』さん(勝手にリンクすみません)
http://village.infoweb.ne.jp/~ibox/ochaya.htm
このホームページのところにある「backnumber」をクリックするとこんな文章が書かれていました。
〈sewing
tableをやりはじめてから強く心に感じたことは言葉だけじゃなく、伝えたいと思う心さえあれば、心でつたわるんだなと言う事を実感しました。〉
そんな文章を書かれた人が、この「sewing
table」さんの店長さんのようです。
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