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日本産トビハゼ類について

  日本にはトビハゼ属の魚類が2種類生息しています。
 トビハゼ(P. modestus)とミナミトビハゼ(P. argentilineatus)です。

   この2種の見分け方を紹介します。

  最もよく分かるのが、腹ビレの形です。次に背ビレの模様、それにヒフの質感です。しかし、1番見分けやすい腹ビレが、野外では最も観察しにくいです。見分けやすいのはヒフの質感です。
ただし、これはよ〜〜〜〜く見比べたときに分かることで、野外で観察の時にぱっと2種を見分けられるかというと・・・

日本で、この2種を同時に見られるところは、沖縄本島です。
トビハゼ達の動きは早いし、自分たちの動きは鈍いしで・・・
それができたら、トビハゼマスターの称号が得られるでしょう!!
(私は目が悪いので、区別は至難の業でございます)

トビハゼ P. modestus

 トビハゼ属の中で、最も北に生息する
種類の1つ。

 リラックスしているときの体色は
肌色〜こげ茶色で、褐色のそばかすの
ような斑点が体に見られる。
(顔や頭部にはあまりない)

 ヒフの質感は、ぬるんつるんとした
感じである。

 ウロコは非常に薄く、小さい。

ミナミトビハゼ P. argentilineatus

世界中で、非常に広域に分布する種。

 頭部から尾部にいたる広い範囲で、
コバルトブルーの斑点が目立つ。

 ヒフの質感は蛇皮のような感じで、
トビハゼよりも大きなウロコ模様が
よく見える。

 背ビレには、血のような真っ赤な線が
ある。

野外で見ていると、一番目立って違いが分かるのが、背ビレです。
背ビレに注目してみます。

トビハゼの背ビレ

 第1・第2背ビレともに下地は薄いグレーです。
第1背ビレには顕著な模様はありません。
第2背ビレには黒い線があります。
全体的に色彩は地味です。

ミナミトビハゼの背ビレ

 第1背ビレの上縁には太い黒線があり、
その縁は細い白の線ではさまれています。
黒い線の下は赤の下地に白の斑点が
たくさんあります。

第2背ビレは、上縁から太い赤・細い白・
太い黒・細い白が明瞭に見られ、その下には
赤〜うす茶色の下地に白の斑点があります。

第1背ビレの条数(D1)=10〜17
第2背ビレの条数(D2)=12〜14
第1背ビレの条数(D1)=10〜14
第2背ビレの条数(D2)=11〜14

ぱっと見てはっきり違いが分かるのが、腹ビレです。
両種とも腹ビレには模様がありません。

これは野外ではほとんど見ることはできません。
捕まえてみて、ひっくり返して
初めてまじまじと見られるので、
なかなか見るチャンスはないです。

トビハゼの腹ビレ

ちょっとハートっぽい円形。

体が大きくなっても、
垂直な壁や、
オーバーハングした岩場に
くっついていること
さえできる。

ミナミトビハゼの腹ビレ

切れ目の深い蝶ネクタイ型。
体が小さいときは長時間
くっつくこともできる。

体が大きくなってくると、
垂直のところに
くっつくことはできない。

2種の違い
(巣の違い)
トビハゼ ミナミトビハゼ 分布地図