Periophthalmus chrysospilos (クリソスピロス)
P. chrysospilosは、東南アジアのマングローブ内でのトビハゼの代表種であり、昔からよく知られている種類です。種小名のchrysospilosとは、ラテン語で「オレンジの点々がある」という意味で、その名のとおり、全身にオレンジ色に輝く斑点がたくさん散在しています。世界的な分布では、インド東海岸・タイ湾〜フィリピン、マレーシア、インドネシアなど、東南アジアを中心に報告されています。
特徴としては、全身のオレンジの斑点のほかに、腹ビレがまん丸であること、オスもメスも第一背ビレの先が伸びることです。ただし、オスとメスで違うのは、メスが背ビレの第一条だけが伸びるのに対して、オスは第一・二条の2本が伸びることです。トビハゼ属の中でメスも背ビレの先が伸びるのは、このP. chrysospilosだけです。 |
P. chrysospilosの一番の特徴である、オレンジの斑点は主に顔に出ます。体色がいろいろ変化するので、オレンジドットも目立たなくなることもありますが、よく見ればあります。
体色はその時の状況によって、ものすごく大きく変化します。オレンジの斑点もその時の感情(?)によって顔だけにうっすら出たり、からだ全体に浮き上がるように鮮やかに現れたりします。
特に、ストレスを感じている時や興奮状態では、からだ中にオレンジの斑点が浮き出てよく目立つようになります。このオレンジスポットは、小さい子供の時からはっきりみることができます。とってもきれいです。 (体色は、まっしろから茶色しましままで自在に変化します。標準の体色がどれかわからないですねえ。 |
大きな川の流れや海に面した干潟に多く見られ、非常に長い距離を移動します。視界の開けた場所で活動し、求愛行動などが遠くからでも観察できるほどです。動きは非常に敏しょうで、移動距離がとても長いです。
クリソスピロスは、潮が引き始めると 、列をなして水際へと移動するのが有名です。 |
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水ぎわから水深10センチのあたりの、アミエビや動物プランクトンが大量に湧いているところに群れて、むさぼるように食べます。 からだが乾くのがとても嫌いで、体のどこかが水の中に入っている格好が好きなようでした。 |
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私の観察したところでは、潮が引いているときは海の方に逃げ、顔を上げて泳ぐことが多いのですが、潮が満ちてきている時は追いかけても水側に逃げずに、陸の方へ逃げようとするようで、潮汐周期を感じているようでありました。水の中が好きで、頭を上げたまま長く泳ぐこともできます。立ち泳ぎがものすごく上手です。魚でありながら、顔を上げたまま泳ぐところは何ともいえませんなあ・・・でもとてもすばしこくて、網ですくおうとしても、尾ビレの推進力で水面を跳ねていってしまいます。 |
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P. chrysospilosの腹ビレ
まん丸で円盤状になっているのが特徴です。まんまるなので、吸着力はとても強く、流れのあるところの流木の上でも長時間くっついていられます。 |
右画像は、P. chrysospilosのオス。
クリソスピロスは、オスもメスも第一背ビレの先が伸びますが、オスは前2つの上が伸びるのに対し、メスは最初の1本だけが伸びるので、 性別を区別することができます。先が2本、赤いのが細い針のように
伸びているのが見えますね。→→ |
ちょっと画像が悪くて申し訳ないですが 、ヒレを広げてる個体の上がメス 、下がオスです。メスは 、少し丸みを帯びた背ビレでひれの先が伸びているのが分かりにくいですが 、オスは先がぴんと伸びているのが分かります。 |
P. chrysospilosの腹ビレ
まん丸で円盤状になっているのが特徴です。まんまるなので、吸着力はとても強く、流れのあるところの流木の上でも長時間くっついていられます。
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クリソスピロスは、まんまるい腹ビレをもってます。このくっつく力はものすごく強いので、垂直の枝からオーバーハングした岩にも長時間くっついていられるのです。ちっとやそっとの波を食らったって全然平気です。ずっとしがみついています。上の画像の中に、まんなかの枝以外に何匹いるか、みつけられますか〜?
(画像を触ると答えが出ます) |