06UFC in 黒部


2006年7月29、30日 第3回UFC大会in黒部平乃小屋
大阪組:とみさん、こてっちゃん 静岡組:みっちゃん、川虫くん、
関東組:私、かきさん 栃木組:Funakiさん、山岸さん









今年のUFC大会は黒部だ。みんなで遊ぶ黒部は楽しい。

 立山黒部アルペンルートの夏。山シーズン真っ只中の扇沢は閑散としていた。7時半発のトロリーバスは40人程度。その中の登山者は数えるほどで、ほとんどが観光客である。登山者が少ないのは今夏の山岳雑誌が南ア特集だった影響もあるのだろう。地元紙には、梅雨が長引いた影響で山小屋は閑古鳥が鳴いているとも書かれていた。今年は特に話題のない黒部である。せめて我々ぐらい元気にバカにやりましょう。

 関東組、関西組は扇沢に集合し朝一番に出発。静岡からやってくるみっちゃんと川虫くんは17時の最終バスで黒部ダムに入る予定だが、最終バスに間に合うかちょっと心配である。7時半のバスに揺られて黒部ダムに降り立つ。今にも降り出しそうな暗い空、ダム湖もやけに濁っている。迫力ある観光放水を眺めながら一行は湖畔道に入る。目指すは平小屋。「おおー足痛たっ!膝痛たっ!腰が・・・腕が・・・おーい待ってくれー」ほんのトレッキングのつもりが、皮下脂肪スーツを装着した我が身は汗を垂らし続けていた。一旦足が止まると再び歩き出す力が出ない。もう三味線の弦は古くなり、巻いても巻いてもヨレヨレなのだ。

 湖畔道は所々崩れており危険な場所も多い。途中から雨が本降りとなり雨具を着込む。とみさんは、日が暮れてから歩くみっちゃんらのために、要所要所で赤テープをつけていた。ダム湖のインレットは濁色にコバルトブルーの沢水が混ざり合っている。たんぼ沢、御山谷のだらだらと長い道のりを根気よく歩く。もちろんかきさんが一番足早い。平小屋まであとちょっとの所にある中ノ谷で試し釣りをする。


小雨のなか湖畔道をひた歩く



谷の水はまだ冷たい




 沢は水量多く、釣りになるのはインレット付近のみである。ほぼ全員で同じインレットに竿を出す。私はフライ、Funakiさんはテンカラ、あとは皆ルアーである。ところが、さぞかし釣れるかと思いきやまったく当たりがない。たまにヒットするのは流木の材である。ルアー回収のためポイントに入るものだからさらに釣れない。・・・と、皆が諦めかけた頃にとみさんが岩魚をかける。流石は釣り場を熟知しているとみさんである。聞けばインレットはしつこくやらないと掛からないそうだ。なるほど。つまり激戦渓流釣り場よりも当たりは渋いということだ。



毛ばりの帝王Funakiさん



ああーこれじゃー釣れないよっ!こてっちゃん



ミノーでチャレンジする山岸さん




 岩魚一匹では寂しいということで、釣り場に残る組と小屋に向かう組に分かれる。私は小屋へ向う。10分ほど歩いて小屋に着くと、ご主夫婦が暖かく迎えてくれた。早速お土産を手渡す。今回はご主人好みの酒を入手する時間が無く、お土産は駅で買った菓子箱のみだった。この時渡した菓子箱は4日後、トレッキング遭難者12名の緊急食になったそうだ。(朝方、小屋の対岸から12名が叫びながら助けを求めていたそうな。)小屋で一服しビールを一本空けてから山岸さんと釣りに出かける。釣り場には2名が先に入っているそうで、河原に降りると弁当空が2個仲良く捨ててあった。上流は先行者ありということで、我々はまたインレット狙いでしつこく竿を出す。私はウエットフライ。釣り始めは真剣に竿を出すのだが、何も応答がないのでそのうち飽きてしまう。サクラマス釣り以上に根気のいる釣りだった。ただ静かな時間だけが流れて行く。途中から冷たい雨に打たれ寒くなってきた。その後二人で一時間も粘っただろうか、もう釣れないだろうと諦めていた頃に、山岸さんのロッドがしなった。最初は地球を釣ったパフォーマンスか?と見えたが、本当にヒットしていた。「やった〜!釣れるもんだね、いや〜良かった良かった。」釣れたのは尺UPの太い虹鱒だった。美しいプロポーションにしばし見とれる。


初尾を飾った余裕のとみさん





 雨脚が酷くなり、夕マズメを諦めて小屋に戻る。やることが無いので、呑みながら軒先で笹を焼く。雨はいよいよ本降りとなる。みっちゃん川虫くんらは無事辿りつけるだろうか。「大丈夫、暗くなっても谷の出口に目印のエロポンが仕掛けてあるのだから」と誰かが呟く。そうだったのか、UFC戦士ならエロポンを見逃すはずは無い!我々は今までただ一冊のエロポンで山々渓々を釣り歩いて来たのだ。富士山と黒部にはエロポンがよく似合う。

 夕食は平小屋ならではの熊肉と山菜尽くしだった。食後、ご主人の手が空いた間に岩魚の捌き方を実演して頂く。さっと魚を卸す手際の良さに皆で感動する。包丁が踊るようにすいすいと動いている。今日釣った虹鱒と岩魚は仲良くお刺身に。冷蔵庫で20分ほど寝かせてから皆で頂いた。岩魚は岩魚の甘みがあって美味しい。虹鱒はさらに美味しいと聞いていたので期待して頂く。ところが、虹鱒は新鮮味はあるが岩魚ほど甘味もなく想像していたサーモン味ではなかった。後で聞いたら、虹鱒を刺身で食べるならダム湖育ちのレインボー化したものが、脂がのって旨いということであった。次回はギンギンのレインボーを狙おう!

 21時をまわった頃だったろうか、玄関の物音に覗くと、そこにはずぶ濡れのみっちゃんと川虫くんが笑顔で立っていた。手には中の谷のエロポンがしっかり握られていた。万が一の時、これを燃やして暖をとるようかきさんが置いて来たそうだ。残り7冊は小屋まで運び上げた。
(というか何で7冊も?)みっちゃん川虫くん、ようこそ平乃小屋へ!お疲れ様でした、と皆で歓迎する。その後、夜中まで呑む。私は酔った勢いでご主人と私の昔話に花が咲いてしまい、遥々訪れた皆さんと話す暇がなくなった。今から思えばもうちょっと気遣うべきだった。反省です。


黒部も「かっ菌」に侵されつつあった









 翌朝はのんびり起きてみんなで釣りに出かける。でも、昨日当たりがほとんど無かったので、今日も期待できないと思った。昨日のインレットをもう一度狙う。テンカラの川虫くんとFunakiさんは上流へ釣り上がって行った。残り6人はインレットでのんびり糸を垂れる。私は釣りをせず暫く見ていたが、やはり反応が無いようだ。暇になった私は段丘の上で小石を投げ遊ぶ。その小石がたまたま、皆が釣りをしている水面に飛んでしまった。静かなインレットが突然ポッチャンと音を立てる。すると誰かが「魚跳ねたで!」と叫んでいる。どうやら私の投石を魚のライズと勘違いしているようだ。しかも、後ろに私がいることも気づいていない。いたずら心にちょっと火が点き、皆に見つからないよう段丘に伏せ小石を放り込んでは皆の反応を覗う。あっちでポチャンこっちでポチャン・・・。するとみっちゃんが「さっきから魚跳ねてますね〜釣れそうですね〜」とバカ正直に喜んでくれた。後ろから私が石ころを投げているとは知らずに。これでもう少し粘ってくれるかと思っていたら、みっちゃんは楚々草と上流へ釣り上がってしまった。釣り場は私の投石で余計釣れなくなった。


濁りとの境界がポイント



 ところが、それから僅かな経過時間で3人続けにヒットする。とみさん、山岸さん、かきさんの順だったろうか。釣れたのは虹鱒と岩魚だ。魚が釣れて釣り場は少しばかし盛り上がるのだが、それからがまた沈黙。ついにかきさんと私はゴロ寝。顔の日差しが強くて焼けてしまうが風が出ると心地よい。一眠りしたころ岩魚を袋に入れた川虫くんらが戻ってきた。みっちゃんもチビッコを一匹掛けたそうだ。偉いぞ!上流は増水後間も無いため魚がいないと思っていだけに、二人の釣果はとても喜ばしかった。結果、Funakiさんは想定外のボーズ。私も当然ボーズで、とみさん山岸さんだけが両日で2匹と、今回はルアー勢に軍配が上がった。私は、ボーズでは情けないと小屋の池で必死にロッドを振った。その姿を見ていた通りすがりの登山者は大爆笑。我ながら情けなや。ちなみにこの池は毛ばりの天空落としの良い練習になる。


川虫くん久々の登場



テンカラで黄金岩魚をヒットさせる



麗しいプロポーションの虹



同じ虹鱒でも色が違うのは何故?



かきさんは意外にも釣りが上手い



ボーズ逃れに池にまで竿を出す私



・とみさんスプーン岩魚2  ・山岸さんミノー虹鱒2

・みっちゃんぶどう虫岩魚1 ・川虫くん毛ばり岩魚1 ・かきさんスプーン虹鱒1


・ボーズ:F&D&kotechan








立山を望み黒四ダムでひと汗流す




 帰路、黒四ダムの堰で荷役を手伝う。
 左に立山、右に赤岳の垂壁を望みながら額の汗を拭う。
 最高だね〜黒部に夏が来たね!
 UFCメンバーも黒部と同化して見えた。
 



有難う!黒部平乃小屋



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