赤谷山

2009年6月5日(金) 富山県

ブナクラ谷〜赤谷尾根〜赤谷山〜ブナクラ峠



 白萩川は盛大に工事が行われている様子だった。まだ6時半にもかかわらずプレハブに工事の人が駐在していた。「白萩川通行ダメね、発破かけるし・・・隣のブナクラ谷なら工事やってないけど・・・」白萩川に入ろうと思っていたけど工事なら仕方がない、お隣ブナクラ谷に入ることにする。

白萩川の工事




 ブナクラ谷の堰堤から先を見て愕然。残雪がぜんぜん見えない。やっぱスキーはもう無理だね。今回はスキー無しで沢歩きの足慣らしをしよう。まあーこの時期にスキーをやろうとする自体無理がある。

ブナクラ谷




 緑に映えるブナクラの流れ。沢が久しぶりなのでとても新鮮な感じがする。この季節の沢歩きは、緑が鬱蒼とした感じから始まり、次第に植生が薄くなり地面から生えたばかりの新芽が瑞々しい春の世界になり、最後は雪に覆われた早春の世界になる。季節の連鎖を肌で感じながら歩く。こんな贅沢はないね。






 右岸沿いにはブナクラ峠までの山道が付いているのだが、可能な限り沢伝いに歩く。久しぶりの渓流シューズだ。やはりというか足裏の感覚がまったく掴めない。スリップする感覚もほとんどなく、動く石の上に乗った次の反応が異常に鈍い。シューズと足が一体化していない感じ。まずいな〜、ラーメン脂が全身を覆っているので運動神経が相当鈍っているようだ。もう難しいのはできないね。





 途中からいくつか現れる右の雪渓。それを見上げたら赤谷尾根まではすぐのように思えた。よし、登ろう!登って赤谷尾根から劔を観賞するのだ!そんな安直な思いつきだった。





 沢シューズのまま雪を登り始めたら、足先がすごく冷える。ついさっきまで水に浸かっていたシューズだから当たり前か。しかもネオプレーンソックスは保水するからなおさら。足が冷たいのでなるべく土のところを登る。





 雪斜面はだんだん傾斜を強める。ちょっとした一枚岩がでて、両手ガバでつかむが体がぜんぜん上がらない。あちゃー。しゃーないし雪渓のアンダーを掴む(ーー;)。なんかもう終わってる、クライミング一からやり直しだ。尾根まであと50mぐらいのところで傾斜が強まり雪斜面を断念する。横の樹林に逃げたいが、木が生えているところの5mほどが際い。まだ根がしっかりしてない草を掴み、ひやひやしながら枝に手を伸ばす。そのまま笹薮混じりのモンキークライムで尾根に達する。

振り返る




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 赤谷尾根は笹藪のやせ尾根だった。獣道もなーんもない。でも、劔がどでかくはっきりと見えた。ここから赤谷山まではひと登り。スリップしながら笹や這松を掻き分ける。見下ろせば白萩川方向にスキー向きの大ルンゼが降りている。藪がだんだん苦痛になり気分が悲壮的になる。

赤谷尾根



赤谷尾根から劔



藪漕ぎ




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 ようやく赤谷山の凡頂に出た。看板は雪の下なのか見当たらなかった。劔の展望は相変わらず壮絶さがあり、東西仙人谷への切れ込みも鋭い。あの辺りが北方稜線の核心なんだろうなあー。私にはとても歩けそうにない。雲が沸いてきたので急いで写真を撮る。梅雨入り前なのでスッキリと晴れるタイミングは少ないが、登山者が少ないという意味では私のベストシーズン。不思議なことに、黒部の谷はぜんぜんガスが沸いておらずスッキリと見渡せる。谷々にも顕著な残雪は見当たらない。6月でこの状態では9月には水が枯れるのでは?と心配になるぐらいだ。劔を見ながら富山名産「鱒ずし」を食べる。私のプチ贅沢なのである。これにあと清酒立山があれば、文句なしだ。

赤谷山から望む




赤ハゲ 白ハゲ 池平山



黒部



猫又山〜毛勝山




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 ここから帰路のブナクラ峠までは山道がある。しかし、ほとんどが雪に隠れ分からなかった。それどころか、笹を握って雪の際をステップを踏んで降りるという予想外の苦労が待っていた。アイゼンが愛しい。たまたま厚めの綿軍手をしていたので、笹で指を切るようなこともなく手だけは快適だった。そうこうしているうちにスリップして雪斜面を加速してしまった。まるでボブスレーのように30mほど滑った。そして笹に突っ込んで止まった、かに見えて止まらずさらにボブスレー・・・。広大な平坦地が黒部側にあって、そこでようやく止まった。恐ろしかった。雪滑りがあんなにスピードが出るとは思ってなかった。きっとハーネスを付けてなかったら、無抵抗のまま谷底まで行ってたに違いない。見上げればスキー場のような斜面が頂上から広がっていた。東側斜面(黒部側)の残雪は凄ましい量なのである。

ブナクラ峠




 最初に少し鞍部になったところがブナクラ谷の源流である。そこから下降しよう思ったけど、背丈近い藪が100m以上続いており諦める。そのまま最低鞍部であるブナクラ峠に達し、山道を利用し下山する。途中から雨が落ち始めた。フェルトを張り替えたばかりの渓流シューズは今日一日でぼろぼろになった。何度も補修を繰り返しているシューズなので、今年は買い替えが必要である。山道具には金をかけたくないが足回りだけはしっかりしなきゃね。まあーとにかく、残雪を渓流シューズで歩くような馬鹿は絶対にやめたほうがいいと思った。


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