黒 部 紅 葉 狩 り 2 0 0 5
剱 沢 大 滝
2005年10月8〜10日
UFCフンドシチーム(かっきー、よっしー、魚ヤ、大ちゃん)
2日目
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先行者現る 雲が分厚くすっきりしない空である。そのためか、全員の起床時刻も遅かった。私は、起きてまず流れを確認した。昨日の増水が嘘のように水は引いている。これなら岩間に取り付ける。何を食べたか憶えてないが、コーヒーを飲んでると、なんと、下流から3人組の沢ヤがやって来た。全員ビックリ仰天!連休の剱沢はフンドシチームの貸切だったはずが何故?どうせまた関西人だろうと知らん振りをする。あとから魚ヤさんに聞くと、やはり大阪の山岳会だった。黒部は関西人の持ち物なんだから別にいいけどね(地元の僻み)、それに今まで地元人なんて会った事無いし。さて、先行者が居るという事は、色々と事情が変わってきた。のんびりしている場合じゃない。我々も急ごう。 今日は、減水効果により岩間滝まであっさり来れた。それでも、深いと見えた場所が浅かったり、浅そうに見えた底石が思いっきり深かったりと、剱沢の渡渉は不思議の連続。先行者はすでに岩間を越えている。岩間滝は右壁上部に登攀ラインがあり、あれが標準ルート。見た感じ左の落ち口もブリッジで超えれそうである。そして、ど真ん中の大岩もボルダリングで超えれそう。水が少ないと、こうも安心できるものなのか。と、真ん中の大岩に取り付こうとした途端、魚ヤさんが突然叫んだ。「何々?俺何か失敗してる??」と聞く間もなく、魚ヤさんは岩間滝の下に走った。まるで釣り逃がした岩魚を追うように。なんでも、上部のパーティの一人が足を掬われ、もう一人が助けに飛び込んだ、というアクシデントがあったらしい。幸いにも、岩間滝に落ちる前に脱出出来たようだが、見てない私は何がなんだか? 魚ヤさんが岩間の真ん中の大岩まで流木の橋を渡り、フリクションギリギリで粘張っていると、先行パーティがロープを投げてくれた。有難う!と言いながら全員がそれにしがみ付く。「情けない!」と言わないで!他人のフンドシ遡行だからいいのだ。他力本願とも云うけど。こうして、難関だった岩間滝は偶然の幸運で無事越えることが出来た。越えた先には、先ほど程足を掬われた渡渉点があった。念のためハーケンを打ち、左岸へ全員無事渡渉を終える。帰路用にフィックスし、そこから飛び石を経てI滝下に達する。I滝では、感激のあまりにアホみたいな写真をいっぱい撮った。I滝は、正面から見るより大凹角ルンゼのガレから見たほうが、細くすっきりした瀑布に見えるので、写真もそのほうが良かったと後悔する。将来この滝が「魚止滝」と云われる日が来るのかも知れない。 |
岩間の滝中央岩で先行パーティにロープを投げてもらう

大凹角ルンゼの巨容
(登攀対象である)

| さて、今日は許される時間まで試登しよう。ガレた大凹角ルンゼを登り、取り付きを探す。たぶん、そこの草だろうと思う斜坦な場所があった。早速、魚ヤさんが登って取り付きを見つける。魚ヤさんが5・10に履き替え、よっしーが、ダブルロープと何やら難しそうな確保器をセットしている。こういうのはちゃんと岩登りの経験者に任せたほうが良いと考え、最初から私は「写真係りで・・・」と言い訳していた。マヌケな事に、お菓子を食べながら撮っていたので、全部手ぶれの写真となった。すまん。取り付きビレー点では、雨か滝の飛沫かわからない霧が舞っている。昨日の増水のこともあり、雨が降ったら即退散ということで。 |

1ピッチ目 魚ヤさんが、草付きからちょっとした凹角に入る。下から見てるとなんでもない岩なのだが、やや苦戦の様子。そして何故か両足ともアブミに?ランニング用ハーケンは2つ打ったのかな。クライマーじゃないので、こういう説明はよう判らん。ピッチは小刻みに切って10mほど左へトラバース→凸岩を5m直上し2ピッチ目のビレー点へ。 2ピッチ目 よっしートップ。伸びるフィックス+泥→モンキークライム。ここの足回りはアイゼンが良いかと思う。4人も居るので後続引上げに時間が掛かる。途中でめちゃ古いロープ発見。 3ピッチ目 完全なる樹木クライム。下から見えてた濃い樹林帯の中である。傾斜はきついまま。3ピッチ終了点である観光ベンチで時間切れ。ここから4ピッチ目終了点らしき松ノ木の頭が見えていた。その向こうに焚火のテラスがあるのだ。時間は15時。残念だが今回はここで終えよう。10月は日が短いのだから。 |










| 時間切れ 3ピッチ目の終了点の観光ベンチで一服付ける。ここから下流がよく見通せた。なんとも静かで落ち着いた絶壁である。滝の音も何も聞こえず、雲に覆われた棒小屋の急峻な山並みがただ淡々と構えていた。しかし、ここまで登って引き返すのはなんとも勿体無い。それに、下から見るより樹木の手がかりが多いのも予想外だった。たぶん皆がそう思ったに違いない。この調子なら焚火テラスまであと1時間も掛からなかっただろう。魚ヤさんの5・10も泥だらけ。ランニング用のハーケン5、カラビナ数個とスリング等は時間がなくなり回収せず降りてしまった。 |
観光ベンチより、剱沢を見下ろす

ムービー5
| 回収は意外なほど力仕事だった。ラーメンロープに悪戦苦闘し、テン場に戻ったのが日暮れの17時。辺りはかなり暗くなっている。例の如く、火を起こす前に濡れ着を脱ぎ捨て乾いたものを着る。乾いた服の温もり、この瞬間が天国なのである。よっしーは勢い余ってスッポンッポン。今日は雨に降られずよい天場になりそうだ。まったくその通りで、ウイスキーが尽きるまで呑み、のんびり過ごすことが出来た。剱沢で呑む酒はホワイトと聞いていながら、私が持参したのはレッドラベルという安スコッチだった。好みにもよるがちょっと失敗、いつもの焼酎にしとけば良かった。まあー今回はアルコール度数優先と言う事で。ちなみに、天場横には有り余る雪渓が残っているので、肉類などの生ものも保冷出来ます。岩魚は未放流につき居ません。 今回は少し冒険的な遊びであったが、良い紅葉狩りだった。紅葉狩りの割には周囲の山はまだ蒼青としていたが、時折見えた山上は黄金色だった。まあー天気も悪く、観賞めたいたことは鼻っから期待して無かったし、何より、怪我無く流される事無く落ちることなく、たったそれだけのことで私は十分だと思った。でも、早起きしていれば、焚火テラスまでは行けたと思う。他力本願になるけど。 一般的に言う幻の滝とはI滝48mの事であろう。しかし、我々遡行者の幻の滝とはD滝なのだ。言うまでも無く剱沢大滝の核心部は焚火テラスより上流のゴルジュである。きっとそこには、想像したくないような垂壁とゴルジュがあるのだ。生きて帰るのは奇跡に近い。それでも緑の台地までは行ってみたい。それが例え物量作戦で、ロープを全部フィックスしてでも。 |
3ピッチ目終了点のよっしー

ロープお片づけムービー
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