はくちょう座γ付近

はくちょう座γ付近 はくちょう座P〜M29

はくちょう座γ付近は赤い星雲の宝庫です。これらの赤い星雲をひとまとめにIC1318と呼んでいます。この星雲を直接見ることはできませんが、天体写真マニアにとってはワクワクするような対象です。このような星雲は水素ガスが近くの星の光を受けて輝いているのです。暗黒星雲がこれら散光星雲の前で光を遮っています。
OΣ410は離角0.9”のペアです。夏の夜は気流の安定していることが多いので、分離できるチャンスも多いことでしょう。γの南西約3度のところには、超新星残骸NGC6888があります。HSTによる素晴らしい画像が公開されています。また、γの北約2.5゜のところには、反射星雲NGC6194があり、AAOによる素晴らしい画像が公開されています。
望遠鏡をお持ちの方はγの南南西約2.5゜のところに輝くはくちょう座P(34番星)を見てみましょう。スペクトル型B2のありふれた青白色の5等星(3〜6等の変光星)ですが、この星は肉眼で見ることのできる星の中では、銀河系内で最も激しく輝く青色超巨星なのです。5900光年の彼方にあり、絶対等級(地球から32.6光年のところにあった場合に想定される明るさ)は−9.0等(1等星の1万倍の明るさ)と見積もられています。青色超巨星の代表として知られるオリオン座βのリゲル(絶対等級−8.4等)よりも大物なのです。
このような青色超巨星は寿命が短く、最後は超新星爆発で激しい一生を終えます。宇宙空間にばらまかれた超新星残骸は新しい星を作る原料になるだけでなく、素晴らしい環境と偶然に恵まれれば、私たちのような生物を構成する原料にも使われるのです。はくちょう座Pはいつ超新星爆発をするのでしょうか?私が生きている間にこの星の最後を見届けることは難しいかもしれません。
のところには星形成領域Sh2−106が、NGC6888の南約1゜のところには惑星状星雲NGC6881があります。いずれもHSTによる美しい画像が公開されています。
γの東北東約1.7゜地球から4500光年のところに、IRAS 20324+4057という天体があります。新しい星が誕生しつつあり、HSTによる美しい画像が公開されています。

IC1318 赤経:20h20m付近、赤緯:+40゜付近
 視直径150’、560光年 

STScI Webサイトへ 誕生したての星 IRAS 20324+4057
星形成領域 Sh2-106

AAO Webサイトへ 散光星雲NGC6194

ESA/Hubble Webサイトへ 惑星状星雲 NGC 6881

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