重要なフィルムの選択

film フィルムの選択は惑星を美しく撮影するために極めて重要なファクターです。
シンチレーションや赤道儀の追尾精度が完璧とは言えない撮影環境下、シャープに写すためには可能な限り早いシャッターを切りたいところです。このため高感度フィルムを使用することが基本となります。一方、低感度フィルムは高感度フィルムに比べ、一般的に階調豊富かつ微粒子で惑星表面の微妙な色彩を表現するのに優れています。どちらにプライオリティーを置くかは撮影コンセプトによります。
現在市販されているフィルムの中では、ISO=400のものが感度、粒子のバランスが高いレベルでとれており、最もよく用いられているようです。
同じ感度でもフィルムの銘柄により発色性や調子が大きく異なります。このへんは好みや表現したい内容にもよりますので、「このフィルムで決まりだ!」と結論することはできません。
私は一般的な撮影状況では、ISO400のネガフィルムを用いています。木星に限り、特別条件の良い場合はISO100のフィルムを用いています。フジカラーSGAce100は表面の微妙な色を綺麗に表現してくれるようです。フジクロームプロビア100は冷調な発色で、都会の濁った大気下でも比較的自然な色で木星を表現してくれるようです。エクタクロームE100Sは、条件さえ整えば非常に綺麗に撮影できます。木星表面の模様をコントラスト高く鮮やかに表現してくれるようです。コダカラースーパーゴールド400は低照度での感度が抜群に高く、輪の傾きが小さい時の土星を撮影する時威力を発揮します。輪と本体の両方をうまくに表現するのに適しているようです。フィルムの銘柄は非常にたくさんあります。いろいろ試写しそれぞれの特性を把握して、撮影環境に応じた、また撮影目的に適したフィルムを選択できるようになることが重要です。
フィルムは絶えず新製品が発売され、粒状性の改良、感度の分光特性の変更等が行われています。同じフィルム名でも、いつのまにか(天体用としては)全く違う特性のフィルムになっていることもしばしばあります。上記フィルムのうちE100S以外は既に製造していないようです。

Copyright by A.Inaka. All Rights Reserved.