月はいつ見ても楽しく飽きない天体です。欠けぎわではクレーター等の地形の様子が良く分かります。
太陽からの光の角度は常に異なり、また地球に対する月の角度も微妙に変化します。このため、ある日に見た月面と全く同じ月面を見ることはほとんど不可能です。このことが月の観望をいつまでも新鮮で楽しいものにしているのです。もし月が無かったら、人類はどのような文化を形成していたでしょうか?そんなこと想像できないくらい月は私たちにとって身近で親しみのある天体です。

はるか昔に、原始惑星であった地球に火星と同じ大きさの惑星が45度の角度で衝突し、地球内部の物質が宇宙空間の放出されました。その物質が凝集して月が生成したと考えられています。生成当初の月の軌道は地球にかなり接近していましたが、現在一年で3.5cmの速度で遠ざかっています。現在、月のみかけの大きさは太陽とほぼ同じで、時々皆既日食という素晴らしい天体ショーを見せてくれます。しかし遠い将来、地球からは皆既日食を見ることはできなくなるのでしょう。
それだけではありません。月が遠ざかり地球に与える重力が大きく低下すると、地球環境は劇的に変化してしまいます。地球の自転軸の角度が安定せず、現在のような規則正しい一日も安定した四季も無くなることでしょう。大多数の種が死に絶え生物の継続的な進化も遮断されるでしょう。このことは、月のような衛星の存在が知的生物の誕生する必要条件であることを示唆しています。

40億年以上前に最適な角度で偶然衝突した原始惑星。その偶然から誕生した月が地球に地軸の安定などをもたらし、生物の安定的な進化を可能にしました。知的生物まで進化した人類は、月にまつわる様々な文化を生みだし、規則的に変化する月を眺めながら暦を作ったり、絶妙な位置まで遠ざかった月が時々演じてくれる天文現象を利用して、一般相対性理論の検証も行ったのです。