| 2003年1月 さて、いよいよメーン・イベント。住まいの肝心要、衛生設備のその後についてお話したい。 まず先鋒を受け持つのは、何といっても中国製のウオッシュレットだろう。 この駄々っ子には最初から泣かされた。今も時々拗(す)ねたように故障する困りモノだ。 内装工事完成も間近に迫った3年前、便器の選択に迷った。いや便器はすぐ決まったのだが、問題は数あるウォシュレットのどれを付けるかで女房と喧々諤々ヤリ合った。 「どれだって同じだョ。勿体ナイョ、安い方にしとけばァ〜」 日本製の輸入品は当時6500元(10万円近い)、中国と日本の合弁製で3500元、純正の中国製が1200元。 私とすれば東京で使い慣れている日本製がベターだったが、如何にも高い。 お舅さんの給料が1200元(18000円)、その半年分を尻に敷く“アホ婿”と言いた気な目もちょっと怖かった。 ならば柔軟に対応して、合弁製で手を打とうと腹積もりしたが、傍らの中国製も見た目それほど遜色ない。 どうも私は見た目で判断してしまう癖があるらしい。 デザインなどシンプルで結構、本来の使用目的のみに重点が置かれていれば、難解で不必要な機能など無くたって全然困らナイ。 結局、それほど使い勝手が違わないなら、安い方がイイに決まっていると安易な決断をしてしまった。 娘夫婦の為に少しでも安くと、親心で一緒に回ってくれているお舅さん。 それでも自分の給料1ヶ月分、最後まで不満顔で(何もお湯で尻を洗わなくっても・・・・)と言う顔をしていた。 入居早々、よほどこの中国製ウォシュレットと相性が悪かったのか、まさかの熱湯攻撃の洗礼を受けた。 尻がしばらくヒリヒリ治らなかった重症だ!・・・・・・・・・・笑い事ではない。 日本だったら大いに騒ぎ捲くって、メーカーを呼び付け、菓子折りくらいでは済まさないところだが、敵地中国では勝手が違う。・・・・・・・・・「熱かったでしょう〜」でオシマイだ。 せめて交換か修理をと、急ぎ買った販売店に電話するも、すでに跡形も無く撤退していて蛻(もぬけ)の殻。 上海は新規開店も早いが、儲からないと見るやパッパッと移転するか廃業してしまう。実に見切りが早い。 石の上にも3年、辛抱する木に花が咲くなどの言葉は、きっとこの国には似合わないのだろう。 お人好しの日本人、まだこの時点では機械モノだから、「マァこういうことあるかな?」ぐらいに考えていた。 日本のウォシュレットなどシンプルな標準品だって、熱湯が噴き出るなんてそんな話は聞いた事がない。 日本なら例え量販店で買ったとしても、安いから壊れ易いとか、使い難いという事は殆どないのだ。 したがってウォシュレットに限らず、日本では新品の電化製品の修理など考えもしないから、ついつい値段の安さが当家買物基準の最大目安になっていた。 購入した販売店が、すでに影も形も無いとなれば、中国メーカーに直談判するしかない。 普通、説明書の巻末にメーカーの所在がキッチリ明記されている筈。
電脳潔身器・・・・・・・ウォシュレットの中国名だ。 巻末でなく見開きに、まず仰々しい会社宣伝が並ぶ。 国家重点新商品賞受賞、国家小康住宅建設推薦商品認可などなど、数々の輝かしい賞状写真掲載。 なんとなくクレームを付ける方が、臆して躊躇(ためら)われるくらいだ。 ひょっとして使い方が間違っていたか?そんな気にさえなってくる。 普段よりややトーンダウン気味で、女房が電話を掛ける。 即!明日修理に参上!ウ〜ン電光石火の対応、ここが中国の良いところだ。 翌日確かに修理人は来てくれた。だが菓子折りはおろか謝罪の言葉もない。 猿のお仲間状態である私の尻を、この際捲くって見せてやりたい衝動に駆られた。 「簡単に直るが、保障期間内だから新品と交換して行く!」 会社の方針か?不敵な薄笑いを浮かべながらも、決して製品の非を認めない修理人。 そそくさと交換を済ませると、面倒な話になる前にトットと帰って行った。 それから1年はマァなんとか無事に使えた。1年といっても渡り鳥生活だから、実質使用は半年だ。 陽光麗(うら)らかな翌年の春を迎え、渡り鳥は再び帰ってきた。 もう、あのウォシュレット事件の忌まわしい記憶も、大分薄れかけていた。 上海は3月とはいえ、まだ寒い日もある。ましてや私のところは北側なので、一層寒さが身に凍みる。 15階の窓にヒューヒューと唸りを上げて吹き付ける風の冷たさは、「春まだ遠い」の感さえある。 部屋のエアコンだって点ける時間が多く、まだまだ日々暖房は欠かせないのだ。 そんなある日悪夢の再来が突然やって来た・・・・・・・ 「ヒャ〜!なんだコリャ!水じゃねぇかョ!」 今度は突然の冷水攻撃!ただの冷たい水が容赦なく尻を襲い、全身縮み上がった。 熱湯よりは冷水の方がまだ始末はイイが、そういう問題ではないだろう。 再び修理を要請。すぐに来てくれるのは中国の長所だが、ロクな修理をしないのが難点。 「ヒーター部分の修理は金額も張るから、これは取り替えた方がいいだろう」 こっちは「いいだろう・・・・」なんて簡単に言って欲しくないもんだ! ツイていない時はこんなモノ、1年の保障期間も切れている。それで「幾ら?」と聞いた。 「取替えだから特別に安くしておく・・・・・・500元」 女房もさすがにカチンと来た。 「それなら此の侭普通の便座で使えば!」と私に鋭い視線を投げ掛ける。 しかし、私にとってこれが上海生活唯一の文化的シンボル。そう簡単にOKは出来ない。 結局、背に腹は替えられず、不承不承で500元(7500円)の出費となった。 上海の新居暮らしを始めて3年目の5月、保障期間切れ直後を待って又もや故障。 丸でタイマーをセットしたような律儀さで故障する、会社思いの中国製ウォシュレット。 実に鮮やかなお手並みとしか言いようがない。 爽やかな朝の目覚め、鼻歌交じりにトイレに入って驚いた。 大理石張りの床がビショビショ・・・・・・・ハテ?何処から流れてきたのやら?? 屈んで覗き込んで見ると、どうやら便座と給水管の接続部分から、タラリタラリと滲み出ているようだ。 上海生活も3年目に入ると、もう少々の事では動じナイ。私は順応性が高いのだ。 「中国とはこういうモンだ」と達観の域にて、取り合えず漏水を受ける器探しに厨房へ。 適当な洗面器も無かったので、即席炒面(焼きそば)の使用済み容器を置いといた。 取り合えずナントカなれば良しとする中国的な発想や行動に、私も大分近くなってきたと苦笑する。 例によって昼近くに起きて来た女房。まだ寝たりない顔がトイレに入ってシャキ!っとした。 「何よ!これ!」・・・・・・・最初は私の粗相と勘違いしたらしい。 まさか、怪物じゃあるまいし、床の濡れ具合を見りゃぁ分かるだろう。 間もなく便器の故障で漏水していると分かり、女房深い溜息。 それでメーカー修理人が再びやって来た。 軽口を叩きながら、便座に繋がる柔軟な給水管の取替えた。いとも簡単で、ものの30分と掛からずに修理完了だ。あ〜・・・・こりゃぁ、又来年お世話になりそうだと嫌な予感が走る。 臆面も無く修理費300元の徴収・・・・・・・・オイ、オイそりゃ高くないかぁ! 事ここに至っては、さすがお人好しの私もついに怒り爆発! 「今度壊れたらTOTOのと替えるぞ〜」の宣言。
今までの故障など、単なる序章だったと思えるような悪夢の発端はこうだ。今度は所を変え、厨房の大理石床が濡れているのに気が付いた。 壁際が水を含んで黒くシミ状に広がっている。 よく見ると壁面タイルも汗を掻いたように濡れていた。 ウン?こりゃオカシイと、更にその出所を手探りで追えば、なんとてっぺんの天井から伝ってくるではないか! 大した事ないと何日か放っておいたら、その内、滴ってくる程度では済まなくなった。もうバチャバチャの雨降り状態だ。 湯沸かし器が嵌め込まれている壁面スペースに、給水の元栓がある。 これをキッチリ閉めたら何とか止まったが、さぁ困った、一難去って又一難である。これでは厨房もトイレも使えないし、歯だって磨けない。 上海は右を向いても左を見ても、相変わらずの建設ラッシュ。当然建設職人も大勢いる筈なのに、内装の修理修繕となると中々頼める人が居ないらしい。 日本のように町の工務店もないし、マンションによっては専属の大工や電気関係、給排水衛生設備の技術者を抱えているらしいが、残念ながら1棟のみ独立したウチの小規模マンションには居なかった。 これが日本なら、修繕手配は当然私の役目なのだが、有難い事にここは中国。 お舅さんですら修繕職人を探してくるのが厄介らしいのに、私に分かる訳がない。 第一言葉が喋れないのだから、私は女房を煽るだけで、いつもお気楽な傍観者然を決め込んでいた。 「これェ・・・・・上の階からの水漏れじゃないかぁ〜」 天井から漏って来る状況からして、ひょっとしてその可能性無きにしも非ずの感あり。 各階同じ給水の配管位置からして、恐らく上の階も同じ場所に厨房があるのだろう。 面倒な修繕人探しや責任ある完全修理が望めない不安を考えれば、ここは是非とも階上の水漏れであって欲しいと、邪(よこしま)な願いが脳裏を駆け巡る。 「ウッヒョヒョォ〜!こりゃぁウチの故障じゃないかもョ〜、上のせいだったら弁償!弁償もんだぁ!」 いつもは乗ってくる女房なのに、今日はイヤに冷静、ホントかしらと首を捻る?。 女房早速、毎度の事ながらお舅さんへ電話で注進に及ぶ。 日本人亭主は頼りにならないから、父親に言うしかない。 今までだって何か不具合が起これば、直ちにお舅さんに招集をかけてきた。 日本ならたとえ親子の関係でも、「イイ加減にしろ!」と怒鳴られるところだが、上海一族は懐が深い。 嫌な顔一つ見せずに飛んで来てくれる。 幼少より暖かい親子の情に縁が薄かった私。義理とはいえ親とはナント有難いものと、この歳になって初めて異国上海で味わった。 「やっぱりこれはウチの水漏れだョ〜」 いくら近いとはいえ、すぐに駈け付けてくれたお舅さん。あぁ無情の断!喜んだのも束の間の幕間だった。 元栓を締めると水漏れも止まるって事は、心情的には認めたくないが、やはり正論のようだ。 ウ〜〜ン、腕組みをして考え込んだお舅さん。「明日何とか修理出来る人を連れて来るョ」 翌日確かに連れてきた。連れては来たが、如何にも素人っぽい中年おじさん。 道具らしきものも携えず、手ぶらで来たことからも、自ずとその技量は凡そ察しが付いた。 アレコレ水漏れの原因を調査開始。意外なことに給湯の配管は、厨房にある給湯器から天井裏を伝って、浴室に向かっているのが判明した。 日本では大体、配管等は床下に這わせるのが常套手段。それは配管の保護的意味もあるし、小型の家庭用給湯器から出たお湯を、イキナリ天井に向かって押し上げるのでは、全くもって道理に適わない。 当然、機械の故障にも繋がり、寿命も短くなるのではあるまいか。シャワーのチョロチョロ湯量を常々不満に思っていたが、案外この辺りが関係しているのかも知れない。 恐らく壁から天井に折れ曲がる部分から、漏水していると当たりを付けたが、問題は修理方法。。 修理人とお舅さんは、なるべく内装に傷を付けずに修理する秘策をヒソヒソ練っていたが、ようやく出した結論が・・・・・・・ナニィ!厨房の天井を全部剥ぐゥ〜。 「そんな大事(おおごと)せんでも、漏って来る場所に点検口付ければいいじゃん!」 日本ならこんな時、無闇矢鱈と天井を剥ぐなどして、アトの復旧費用の掛かる事はしない。 45cm四方の点検口に合わせて天井を切り抜き、その切り抜いた天井材を蓋に使用すれば、修理後も目立たなくて済むし、又不具合が生じた折だって、いつでもその蓋付き開口から天井裏を覗ける利点がある。 事細かに点検口の形状や大きさを、カミさんの通訳で説明するが、両人ともそんな物、見た事がナイと首を傾げる。これでは話にならナイ。
ガリ!ガリ!ガリ!・・・・・・さすがに天井を全部剥ぐのは得策でないと判断したか、やにわに後先も考えず天井板を切り出した。 脚立もないからイスの上に踏み台を乗せて、誠に危なっかしい奮闘振り。 ウチの厨房と浴室は、15cm幅で長尺塩化ビニール製の天井材が張ってある。今はこれが流行のようだ。 見当を付けた水漏れ箇所辺りを、3枚ほど蛇がのたくったように、とうとう切り飛ばした。 人の家だと思って、実に思い切りが良く遠慮がナイ。 私も3年経った現在では、それほど以前のように目くじらを立てて怒る事もなくなっていたから、「まぁ中国ではこんなもんだろう」と静観の構え。 兎に角、内装の傷よりも、この水漏れを何とかするのが先決だ。水が使えない事には、何を言っても始まらない。 すぐに故障箇所は判明した。思った通り、天井裏に引き込む曲がりのジョイント部分から漏っていた。 相当無理をして曲げたのか、青い色をした給湯管には横割れのヒビが何本も走っていた。 切り飛ばしたその部分の管片をみて驚いた。直径2cmほどの給湯管の厚みがヤケに薄い、気の利いた雨樋程度の厚みしかなかった。これではちょっと踏ん付けただけでも割れてしまいそう。 日本のなら同じ塩化ビニールの給湯管だって、中国製より厚みが倍もある。蹴飛ばしたって踏ん付けたって、少々の事では何でもない。 こんな事では、まだまだ他にも不良品施工がある筈。中国での内装が安く上がったと、内心ひとり悦に入っていたが、やはり安いものには裏があると言うことか! この先、際限なくこんな修理修繕が続くのかも知れないと考えると、いっその事マンションを売ってしまいたい衝動に駆られた。 「ガムテープな〜い?」 修繕も大詰めを迎えて、カミさんも少し安心した口振りで聞きに来た。 なんでか分からないが、日本人のアナタは出てこない方がイイと毎度、毎度の蚊帳の外。 なんに使うかも聞かず、東京から持参のガムテープを渡してやった。 工事完了後、修理人も帰ったあと厨房へ確認しに行ったら、例の蛇がのたくった天井切り込み部分に、さっきのガムテープがベッタリと絆創膏のように貼り付けてあった。・・・・・・・ウ〜〜ン、これに使ったのか。 修理所要時間は正味2時間。幾らでもイイという修理人の手間が50元(750円)、てんやわんやの水漏れ顛末でありました。・・・・・・・が? そうや問屋が卸さない!なんと2日後に又同じところから漏ってきた。慌ててやって来たお舅さんと修理人。 「この前、接着剤が無かったからテープ巻いといたけど、やっぱり駄目かぁ〜・・・・・」 なにぃ駄目かぁだと〜・・・・・あったり前だい!こりゃ部品もイイ加減なら人間もイイ加減だァ!
幸いまだポッタンポッタン程度だから、こちらも要領を得ているので、再び即席炒面(焼きそば)の空き容器を置き、取り合えず凌いだ。 その内漏れが激しくなるやも知れず、いずれにしても修理は緊急課題。 我がマンションの専属修理班となってしまったお舅さん、シゲシゲと水漏れ部分を調査観察。 「これなら俺でも直せる!300元は勿体無い!」 またメーカーを呼べば300元の覚悟がいる。 あ〜有難や、有難や、なんという親切。ナントいう思いやり。 好都合にもウチのマンション近辺は、上海屈指の家具商場や建築部材を売る店がひしめいている。 早速、ウォシュレットに水を送るフレキシブル管を買いに行ってくれた。 「これなら絶対だ!一番丈夫なやつを買ってきたョ」 無理に動かせば、まぁ動かないことも無いフレキシブル管。確かに丈夫は丈夫だが、融通が利かない。 日本では二昔ほど前、簡易小型湯沸かし器の首振り蛇口に使用していたモノだ。 私も設備の事は一通り解るから、ちょっとそれを見て一瞬不安が過ぎったが、折角ヤル気満々でいるお舅さんに、水を差すような事は言えなかった。 お舅さん得意満面で無事修理完了。・・・・・・それから暫くはやっと平穏な日々が過ぎた。 その日は珍しく女房のお友達が、我が家に遊びに来るという。 雑然としていては多少気が引けるのか、言われずとも女房あっちこっちを片付け始めた。 こんな事なら私としては、しょっちゅうお友達に遊びに来て欲しいものだ。 部屋の掃除が済んだら、あろう事か、ものはついでとトイレの掃除もやり出した。エライ!エライ! 「キャーー止めて止めて!」・・・・・・・突然の悲鳴と絶叫。 只ならぬ事態を察知して、パソコン室から飛び出るように駈け付けた私はアッと仰天。 便器を背にした壁面の給水口から、猛り狂った水が太いロープのようにドドドォ〜と噴き出していた。 カミさんは絵に描いたような濡れ鼠。それでも必死に水元を手で押さえるが、水勢は衰えるどころか、ますます調子付いたよう暴れ捲る。 押さえた指の隙間から、今度は何本も枝分かれして、迸りの弧を描き飛沫の戦場と化していた。 「あれれェ〜!こりゃ大変だ!」・・・・・・・・・言葉とは裏腹に笑いが込み上げてくる。 「なにやってんのョ〜!早く早く元栓止めてェ〜!」・・・・・・・「おっと合点!」 普段やり付けない事をするから、雪でも降るかと思ったら、水が噴き出たか・・・・・・・ウフッ、天罰かも? やっぱりあの時の不安は的中した。 お舅さんが自信を持って取り替えてくれた、融通の利かないフレシキブル管。度重なる便座の上げ下げについて行けず、見事に根元からポッキリ折れてしまった。 女房、こめかみに青筋立てて受話器を取るや否や、滴り落ちる髪の雫も辺り構わず、父親に猛烈抗議。 夜も更けた10時近くにも拘らず、自転車ですっ飛んで来てくれた。 どうするかと興味津々その出方を注目していると、さすが東洋人、考えることは私と同じだった。 持ってきた木片の先端を、包丁で器用に丸く削り木栓を作った。それをポッカリ口の開いた給水管にぶち込み、取り敢えずの応急措置完了。 この程度なら私にも出来そうだが、一度手を出すと後々困り事を頼み難くなる。お舅さんだって家族の柱として、皆から頼りにされている充実感が、生甲斐と感じている節もある。それを奪うことはナイ。 そんな勝手な解釈をしつつ、ここは不器用な日本人のスタンスを崩さず、感謝の拍手を送った。 翌日、今度は自由自在クネクネと柔軟に動くフレシキブル管と交換してもらった。値段は高いがそんな問題ではない。 それにしてもお舅さんが居なかったら、私ら夫婦だけでは、到底、上海生活をエンジョイ出来なかったろう。 上海には沢山の国際結婚カップルや、一家を上げて駐在生活をしている日本人家族もいると思う。 西も東も分からない慣れぬ異国生活に、人知れず枕を濡らしている人だって居るかも知れない。 それぞれ私よりきっと苦労も多いし、観光と違って生活して行くのは大変な筈だ。 私はラッキーだった。 家事は苦手だが、指図の得意なカミさんと巡り合い、心優しい上海一族にも恵まれた。 日本に居たら、きっと夢も希望も無く、ただ年老いて行くだけだったろう中年おじさんの世界が変わった。 曲がりなりにも、不安のない上海暮らしをしている。人生とは下駄を履くまで分からないモノだ。 人にお人好しと言われようが、女房には感謝して余りある・・・・・・・・と思うようにしている。(^^; 11章 水漏れしたって怖くない!に続く・・・・ |