国際結婚奮闘記

7.お嬢さ〜ん、ニコッ!

 連れが欲しいせいか、お互い買い物には大概付き合ったり、同道願ったりしている。
昨今こそなくなったが、以前はブラジャー、下着の類まで付き合わされた。
赤、黒、ブルー華やかな色彩、ヒラヒラの付いたブラ・・・・・・・目が眩む。
私はブラジャーまで試着出来るとは知らなかった。
想像してください。ブラジャーを数点試着室に持ち込み、取っ換えひっかえ着けてみてはカーテン越しに私を手招きして、

「ど〜お、似合う?おかしくナイ?」・・・・・周囲に憚ることなく大声で批評を強いる。


こっちがおかしくなりそうでアル。

試着室を覗き見して、娘のブラジャーの品定めをする不届き極まりない父親らしき男。
顔から火が出るような恥ずかしさに、身を小さくしていても、太っているから元々目立つ。 周りからすれば、そんな遣り取りを臆面もなく出来る私は、どう見ても変態中年にしか見えないだろうなァ・・・・・きっと。
イヤダと言えば「あなたは冷たい!他人は気にする事ナイ!」と激を飛ばす。
気にするなと言われても、気になりますよね〜。

最近エアコンが壊れた。今は修理するより買ったほうが安いくらいだから、環境破壊を心配しつつも捨ててしまう。 例により、二人連れ立って家電量販店に赴いた。
あまりの品数にアレコレ迷いつつ二人で相談していると、ツツーと店員が手揉みしながら 愛想よく近寄ってきた。

「何かお探しですか?」・・・・・・・私、「エアコンを取り換えたいんだけど」
すかさず女房が「電気代が掛からないのはどれですか?」
ウン、主婦らしい良い質問だ。しかし電気代が掛からないのはないだろう(笑)
「あぁ、省エネタイプですね。じゃあ、これなんかどうでしょう」
聞けば、同じ能力で電気代が半分で済むと言う。
しかし値段はスタンダードと較べると倍もしてしまう。

「買う時は少々お高いですが、長い目で見れば断然お徳です。ネ〜お嬢さん」

これが効いた!女房殿は相好を崩して満面笑みを湛え、途端に言葉遣いも丁寧になった。
「そうですネ〜、私もこれがイイと思いますデスヨ〜」
舞い上がって、喋りつけない言葉を喋るもんじゃありません。
どうやら店員は、娘の部屋のエアコンを取り替えてあげる父親を想像したらしい。
私もこういう場面は一度や二度ではないので、今更驚かない。
私も「あっそ〜、でもこっちのスタンダードでいいや」と思いっきり仇を取ってやった。

そういう何気ない不用意な発言が、思いの外、中年の男の心にグサッと突き刺さるものであるから、営業の方はくれぐれも気を付けられたい。

8.妻の反乱へ続く・・・・


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