上海の生活事情篇

1.シュワちゃんは何処に?

 2001年4月〜上海の変貌は目覚しい。
私の住む徐家匯の街も、ホンの数ヶ月留守しただけでも又新しい表情が作られる。
お舅さんの話では、上海は1994年を境にして急速に様変わりしたらしい。
私が始めて上海に来た1996年当時と較べ、街を包むウワ〜ンとした活気は相変わらずだが、 街全体も道行く人もは今ほど華やかでカラフルな色彩がなく、グレーや紺の沈んだ色合いが多かった印象が強かったように思う。
油っ気のない髪を後ろで束ね、ソックスのような短いストッキング、化粧っ気のない顔で闊歩する様は、色気とは程遠く一種近寄り難いものがあった。

あれからたった5年しか経っていないのに、上海は全く変わった。
何と云っても若い小姐が綺麗になった。茶髪でさえ、今はもう珍しくない。
最近は皆、化粧をしているし、ファッションだって東京と変わらナイ。
特に上海小姐はスタイルが抜群なので、関係のない私まで心がウキウキ、街を歩くのが楽しい。
体の線をことさら強調するような、ピッチリ細めなパンツやGパン。
お尻に喰い込むショーツの線がなんとも色っぽく一層目を楽しませてくれてる。
・・・・・・・・・私が散歩を好きなった唯一の動機でもあるのです。

時折、その余りに見事なプロポーションの後姿ゆえ、さり気なく前に回り込んでチラッと拝顔に及ぶ事もあるが、残念ながら見なかった方が良かったと悔やむ失敗もタマには有る。
とてもオシャレになったと思う反面、パジャマのまま平気で買い物などよく目にする。
この辺の神経が良く分からないが、繁華街にある銀行に堂々とパジャマでやって来たのには、ビックリして開いた口が塞がらなかった。

珍しく映画を見てきた。今年始めオープンしたピカピカの映画館である。
新築ビルの中に異なる4館が入っていて、それぞれアメリカ館・ヨーロッパ館などと銘打ち、上映作品もハリウッドの大作に人気があるようであった。






ゴージャスな雰囲気の
映画館通路
壁にスターのパネルが嵌め込まれていました

場内は高低差がハッキリしていて、とても観易く雰囲気も東京と変わらない位で気に入った。
上海の映画館は、日本ロードショー映画館のように一律入場料が決まっていない。
新築で映写設備も最新式な分、値段もちょっと高目の設定ではあるが、それでも 30元(400円)と気楽である。
それでも映画入場料としては破格の値段なのだろうか?
中国独特の価値観から、同じ映画なら少々遠くても観辛くてもイスが固くても、多少の事は我慢厭わず以前からある安い映画館に向かう。 やはり半値の15元は魅力のようだ。
それが証拠に、土曜の休日にも拘らず収容人員500人のところ、ナント数えられるくらいの40人ほどであった。おまけに、この新築映画館は生意気に全席指定で、好きな場所に座れナイときている。
切符売り嬢も気を利かせて、一番観易い席から売っていったんだろう・・・・・・・・
悪気がなかった事は分かるが、 案外広い館内の座席の中央にわざわざその40人が一塊になって観ていたのはチョット異様な雰囲気だった。
おまけに「ウチは冷房設備も完璧だ!ただ高い訳じゃないぞ、どうだ!」と言わんばかりに、空調を利かせ過ぎて誠に寒い。
いや寒いのを通り越して、凍りつくほどの徹底した冷房サービスである。
私達は運良く上着を持ってきていたから難は避けられたが、昼間チョット暑かったので、Tシャツ1枚で入ってきた若いカップルは身を寄せ合うように哀れであった。
・・・・・・・・・・考えようでは、映画館側の粋な計らいと言えない事もないか?

映画館に足を運ぶ人が少ないのは、VCDやDVD の氾濫が元凶だと素人でも分かります。
新作の映画が公開される前に、すでに海賊版が出回っているのが現状なのですから。
家でゆっくり楽しめるし、いつでも観られる。しかも入場料より断然安い10元(150円)で手に入る。
近い将来きっと取締りが厳しくなって、そのうち姿を消すようになるだろうが、今のところ公然と売られている。
これにも幾多の変遷があって、2〜3年前はここまで[あからさま]では無かったと思う。
アメリカ、ヨーロッパ映画も旧作が多く、元々映画好きな私は観たモノばかり。
それでも丹念に探していると、思わぬ掘り出し物に出っ喰わして喜々とした事があった。
パッケージにお馴染みのシュワルツネッガーやスタローンを見ると、中国に居る事を忘れる。
はやる気持ちを押さえつつ、早速買い込んでワクワクしながら家での試写会と相成るのですが、私だって一度見た映画は何となく忘れナイ。
再生して暫くするがどうも記憶にない。このシュワちゃん映画はどうやら見落としたモノらしく、心の内では儲かったと更に期待が膨らむ。
そのまま更に暫く見ていたが、一向に主演であるシュワちゃんが出てこないし、第一彼が出るような大作とは言い難い・・・・・・・・・・・そんなバカな!
狐に摘ままれたような不信感が入り混じり、とうとう映画も中盤迄来てしまった。
ここにきて漸く、これは違うと確信し、騙されたと気が付いたのである。
これ以上観ていても、主演が最後にしか出ないなんて有り得ない・・・・・・・・

当時、新しいアメリカ映画を気軽に観たいと云う上海庶民の切なる願いを聞き入れて、せめて気分だけでも満足させるが如く、パッケージに有名俳優を使う暴挙に出た代物であった。
紛らわしい事この上ナイ。これじゃァ中身が何なのか映して見なけりゃワカラナイ。
最近はさすがに、そう云った詐欺まがいのは無くなったのは喜ばしい事なのですが・・・・・・・・
いや、いや!むしろ、極端な進化を遂げた趣すらある。
私はすでに日本で公開中の映画や、夏休みの掻き入れ時に公開される新作まで見てしまった。羊たちの沈黙2の[ハンニバル]、CG駆使した[ハムナプトラ2]、ビートたけしの[ブラザー]戦争大作[パールハーバー]その他いろいろ。
日本の殆どの人が見ていない映画を、中国でしかも150円で見られるのは気分がイイ。

・・・・・・・(クフ〜〜)とばかりは言えないのだ!アホクサ。

[パールハーバー]など冒頭、何故か人間が怒鳴る顔の大アップがしばらく続く。
監督の力量を疑いたくなるような展開で、再生機器の故障かと思ったくらいだ。
そのうちTV画面に人影が映りだし、俳優が喋るスーパーのセリフと関係ない話し声ま聞こえ出した。
アレッと思った。ハハ〜ン・・・・・・・・・相変わらず気が付くのが遅いのである。
大胆不敵にも、上映されている映画をそのままパクった代物であった。
横に長い大画面に対応出来ず、言わば上映画面全体の半分しか映っていないのだ。
道理で可笑しなシーンが続くと思った!
・・・・・・・・仕方がナイ!長い予告編だと思って納得する事にした。
それでも戦闘シーンは中々のもので、大作らしい面白さがあった。

さすがに映画館ではそんな事はなかったが・・・・・・・・
ちょうど日本でも同時に公開されていたシュワルツネッガーの[シックス・デイ]で、中国題名は[第六日]を観てきた。クローン人間を扱ったアクションで、シュワちゃんも大分年取ったなと言う印象であった。
マァそれはいい、日本で観たからといってシュワちゃんが若くなる訳でもナイから。
しかし吹き替え版はどうもイタダケない。
北京語を喋るシュワちゃんは、どうも間が抜けているようで余計迫力に欠けるのだ。
そう言えば、殺しが売り物の[ブラザー]、ビートたけしも北京語を喋っていたっけ・・・・・・・・

この項おわり

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