| 艱難辛苦を乗り越えて、満身創痍で昆明に舞い戻った。 夢と希望を持って最初に昆明に降り立った時間と、奇しくも同じ朝6時15分。 今は見るも哀れ。足を引き摺り歩く様は、まさに激戦苦闘の末を物語る敗残兵の体。 ・・・・・・・・・もっとも私だけだったが。 「今日はゆっくり休んで明日帰りまショ」・・・・ウウッ、優しい女房の泣かせる言葉だ。 いや、、泣く事はない! これだって当初の予定はスケジュール目一杯で、夜行で昆明に戻った日の午後には、上海行き列車に乗る筈だった。そんな無理をしたら倒れてしまうと、私が大クレームを付けた。それで変更になった。 言わば、私が自らを守ったのだから、そんなに感激することはナイ。 それで1日の余裕が出来た訳だ。いずれにしてもホテルを先に決めるのが先決だろう。 女房が走る。・・・・・・・昆明旅行リーダー最後のご奉公だ。 ロートル3人組は、暫時近くの賓館ロビーにて休息待機。 ジッとしてないお舅さん、フロントカウンターからひらひらパンフレットを持って来た。 どうやら日帰り観光に行く気らしい。ウ〜ン不死身だ!超人といってもイイ。 駅前も賓館周辺も、観光斡旋のお兄ちゃんやお姐ちゃんが引っ切り無しに飛び回っている。 くれる名刺をみんな貰っていたら束になってしまうくらいだ。 この中から比較的良心的な手配師を探すのは至難の業。カミさんも迷っているだろう。 賓館前をウロウロしていると、遠くで女房が手招きしているのが見えた。 すぐイライラする性格だから、急ぎお舅姑さんに声を掛け小走りに駆けつける。 カミさんの自信過剰とも思える得意顔。 なんでも昆明到着時、ホテルを紹介してくれた斡旋兄ちゃんとバッタリ又会ったとか。 それで「観光に行くかどうか未定だが、この前のホテルが気に入ったから紹介してくれないか?」 と交渉に及んだらしい。又50元で3っ星賓館に泊まる算段、虫のいい話だ。 斡旋兄ちゃんだって一人でも客が欲しい。なんたってこの過当競争だ。 「観光行くならウチを使ってね」・・・・・・それで話が付いた。 懐かしい?賓館に戻ってきた。これでやっと寛げる。 お舅さん達が日帰り観光に行くならそれもよし。予定外だから自前だぞ〜 私はゆっくり休んだら、悠々女房と2人で街でもブラつこう。・・・・・・・・えっ、違う?なに一人で留守番! 結局、私も一緒に行く羽目になった。ひとりで待つ身は辛い。疲れた体に鞭打っての参戦だ。 お舅姑さんも大賛成!私が行くとなれば自前出費はなくなる。 昆明は定番の石林観光のほかに九郷観光がある。こちらはちょっとマイナーな雰囲気。 お舅姑さんにすれば、そんなのは問題じゃない。オリンピック選手と同じだ。 行く事に意義があって、面白いかどうかなどは二の次でイイのだ。 全員で日帰り観光に行くのは決まったが、カミさん苦悩の色を滲ませる。 ドコに頼むか?・・・・・・・この賓館を紹介してくれた兄ちゃんは送迎、観光、昼食付きで80元(1200円)と言っていた。別に名刺をくれたお姐ちゃんは、同じ条件でも60元(900円)で行ける。 ・・・・・・ウウゥ、どうしよう? そりゃぁ、考える事ないだろう。義理が廃ればこの世は闇だ!80元の方ででいいよ。 でもハッキリ行くとは言っていない、行くかも知れないと言っただけだし・・・・・ お舅さんなら、まず悩む余地なし、即断で安い方に決まる。上海人に仁義もヘチマもない。 カミさんは日本の生活が10年を超える。幾分なりとも気が咎めるのだろう。 悩んだ末にヤッパリ上海人気質を取った。60元の方だ。 上海人に「損して得取れ」は通用しない。黙って目の前の得を取るのだ!恐るべし・・・・・ 名刺の弱小旅行社に電話すると、1時間後の8時半には迎えに来ると言う。 前もっての予約など必要ない。現地ではいくらでもその日に行ける。 エレベーターの扉が開くと、約束通り正面に小姐ガイドが待っていた。 ドキッ!とするくらいの美人。今回の旅行はなんてツイているんだ。 それともこの辺りは美人が多いのか?女房は不機嫌!敗北を認めざるを得ないからだ。 弱小旅行社は何処もそうなのか、12人乗りの小型バス。 我々を乗せてから又ほかの賓館に廻る手筈。すし詰め、詰め込みはイヤだぜ〜 グルッと廻って、確かに乗せるには乗せたが、たったの1人。 喜んだのは我々上海一族。これで2席を一人で占領できる。ヤッタ〜・・・・・ ガイドは眉秀で眸(ひとみ)涼やかな美しい顔を曇らせ、独り言のように呟いた。 「やっぱり今日は休めばよかったァ〜・・・・・」
途中までは石林へ行く方向と同じ。したがって又例の玉器お土産店へ立ち寄る。 素直なガイドは正直に何でも話してくれる。 買おうが買うまいが、観光客を1人連れて行けばお店から2元バックがあるという話だ。 勿論買ってくれれば、更にそれなりの見返りがある。 僅か5人のツアーでは申し訳ないようなので、ここは気持ちよく2元の協力。 バック2元と聞いちゃぁ、余計買う気はしない。どう考え立って騙されるのがオチだ! 店内は結構な込み方。品定めをして大枚を払っている人を見ると若干哀れに見える。 あら!イヤハヤここにも一人いた。非情な上海一族にあって一人浮いてるお姑さん。 去年の九寨溝旅行で刺された痛みを、もう忘れたようだ。 中国では騙された事を刺されたと表現する。今度はチクッとぐらいじゃ済まないかもョ〜 刺され捲くった九寨溝。 気が小さいから不眠症のお姑さん。水晶のネックレスを首に掛けていれば、たちどころに不安解消。 夜もグッスリ眠れる事間違いない。・・・・・・・これを真に受けた。 この手の店は口八丁手八丁、口から出任せ何でもあり。売れれば万事それで良し。 お姑さんにすれば、清水の舞台から飛び降りたくらいだったろう。 大枚300元をはたいて買った水晶ネックレス、帰って1週間もしないで切れてバラバラ。 その腹立たしさが元で、余計寝られなくなったと聞いた。 今度は玉器の腕輪。大理石を刳(く)り貫いたモノで、高い物は1000元も2000元もする。 勿論そんな高いのは買う筈もないだろうが、どのみち素人に良し悪しが分かる訳もない。 最初は金色の特殊メッキを施した腕輪にしようと、あれこれ品定めしていた。 金ではない!あくまで金色のだ。 それをあたかも金であるかのように、巧みにそして淀みなく説明する売り子小姐。 「どうも細工が雑だネ〜・・・・・もっとちゃんとしたのナイの?」 1個40元均一の腕輪。取っ換え引っ換え掻き回したって、どれも同じようなもの。 「アンタ達、前に来た事なかったたぁ〜」・・・・・・(ドキ!ちょうど5日前、石林観光で立ち寄った) 「なんでぇ〜」・・・・・・・・もう空っ惚けるしかない。 「この前も、何だかんだ文句ばっかり言って、とうとう買わなかったお客がいたからョ〜」 そりゃぁ、お舅姑さんだ。間違いない。 いい加減うんざり気味の売り子嬢。こりゃ買う気なしと判定したか嫌味タップリの反撃。 「あんた達ネェ〜、40元でどれほどイイもの買うつもりなの?」 メンツ丸潰れ!そこまで言われちゃぁ、金色の腕輪は買えない。 それでお姑さん、他の売り場の玉器腕輪へ軌道修正。 矯めつ眇めつ、ちょっと太目の手首に嵌めて悦に入っている。 身内ゆえ贔屓目に見ても、決して似合うとは言い難い。気に入ったその腕輪、言い値が200元。 お姑さんの買う気は動かず、不承不承お舅さんのお出ましで交渉開始。 今日は当然の如く、九郷観光がメイン。お土産屋でそんなに時間は割けない。 美人ガイドも、ちょっとイライラしてきた。 女房、その場の空気を敏感に察知。値切り交渉中であろう2人に催促すべく、店内に取って返した。 「早くしなさい!いつまでヤッてんの!置いてっちゃうョ!」 急がせると又ロクな事はないからと釘を刺したが、恐らくそのぐらいは言っただろう。 間もなく慌てふためいて出て来た。 戦果は半値の100元とまずまずだったが、お姑さんの浮かぬ顔。 急いでいたし、嵌めた腕輪が抜けなかったから、そのまま買ってきちゃった。 見ればホントに緩みがない。キッチリ嵌った手錠のようだ。 発車して間もなくキツイとぼやく。そりゃそうだろう、抜けなかったくらいだからキツイ筈だ。 こりゃぁ、お姑さんも腕輪の為に、本格的ダイエットせにゃいかんなぁ〜 バスは本線から舗装されていない川沿いの横道の入った。 車ががやっと擦れ違い出来る程度の幅しかない。 川の対岸はモクモクと排煙を出す工場が立ち並んでいる。 行く手は、その排煙と車が巻き上げる土埃で、丸で煙幕を張ったようだ。 これじゃぁ、外に出たら息も出来ないだろう。 こんな先に観光するところなど本当にあるのだろうか?信じられない思いだ。 昆明から九郷まで120kmの道のり。この凸凹道がおよそ2時間続くとの話にガックリ。
この辺りの農民は専ら荷馬車の利用。何度となく追い越し、また擦れ違った。 時折、牛を追うおばさんも見掛て、田舎情緒満喫。 山間に広がるこの農村風景は、一見長閑で限りなく平和に見えるが、その実この土地で生きて行くのは、かなりの困難と厳しさが伴うだろう事は容易に窺われる。 しかし、ひどい悪路だ。九郷観光へはこのルートしかないのだろうか?ひょっとして近道を通っているのかガイドに聞いてみた。 今はこの道しかないが、新道を建設中で来年中には開通の見込みとか。 来年の話を聞いてもしょうがナイ。帰りもこの道かと思うと少々気が滅入った。 やっとやっと目指す九郷観光地まで、あと10分のところまで来た。ここで昼食と暫時休憩。 あまりに凄い縦揺れ横揺れ、尻を強かに打ち付けるバウンドの連続攻撃でダウン寸前。 五臓六腑を掻き乱されて、とても食欲などない。 開け放された入り口から通りの土埃が舞い込む餐庁。 今日は5品1汁で、大理〜麗江ツアーよりちょっと落ち目の内容。 超人無敵!お舅姑さんの食欲には只々圧倒されるばかりだ。勢いに押された同行ツアーのおばさんもタジタジで、そそくさと食事を済ませ外に出て行った。 九郷風景区と入り口大きな看板が掛かっている。・・・・・・やっと着いた。フゥ〜 入り口を抜ける時にミネラルウォーターを1本くれた。中国はタダで物をくれる訳がないと勘繰るが、悪路を良くここまで来てくれた労いの意味(まさか!)と素直に受け取った。
すぐにエレベーターで30mくらい下の谷底に降りる。 岩肌が汗を掻いた様に濡れている。ポタリポタリと雫も滴り落ちてくる。 ヒンヤリとした空気が、なんとも言えず心地よい。 目前にはドドド〜と一気に落下する轟音と共に、流れ逆巻く渓流がある。 前方に観光用のボート乗り場があって、すでに大勢の人が並んでいた。 川の流れを調節する堰があって、ここは打って変わった穏やかな流れだ。 小三峡と銘打ってある。三峡クルーズのミニ版というところか。 順番が近付くと、転覆時の用心に真新しい黄色いライフジャケットを手渡された。 中国も変わった。以前ならこんな配慮は皆無に等しかった。 10人ほど乗れるボートは船頭が一人付き、お客もオールで漕げるようになっている。 なんでもやって見たい中国人が、先を争ってオールの取り合い。子供みたいだ。 そそり立つ岩面に「蔭翠峡」と大きく削り抜かれた文字が見える。 所々岩が迫り出し急に川幅が狭くなっていて、行きと帰りのボートがぶつかり合う。 中国人はストレートに喜びや楽しさを表現するから、キャッキャッと喧しい。 鬱蒼とした木々が昼なお暗く、おどろおどろした探検的な雰囲気を盛り上げる。 ほんとにミニクルーズだった。ものの10分も行かないでUターン。 子供騙しの感が否めないが、まぁ、60元観光だからと納得した。 ここで一旦美人ガイドともお別れ。ここからの鍾乳洞見学は又々民族衣装の娘がご案内。 まさに地底へ降りて行くような薄暗い洞窟。 ミニ小三峡から続く渓流が、荒々しい奔流となって激しく岩にぶつかり、水飛沫となって弾けている。 洞窟内は極端に高低差がある為、途中この渓流が大迫力の滝となって息を呑む景観。 自然が作り出した荘厳さに甚く感激、しばし圧倒される。
更に下へ降りて行くと今度は、地底に出来た巨大なシャンペンタワーに出会う。 石灰質の鍾乳洞内。絶えず滲み出す湧き水に石灰が溶けて、器を積み重ねるような形に出来上がった。 しかも今でもその一つ一つの巨大な器には、懇々と清水が満ちている。 まさに大自然が途方もない年月を掛けて作り上げた、驚異のドラマがあった。 トルコのパムッカレや昨年黄龍観光で見たものと同じで、まさか地底で又出会えるとは思っても見なかった感動が甦る。 ここの鍾乳洞はタダの洞穴とは訳が違う。時には大宴会が開けるほど広く、時には人間がやっと通れるほど狭く、いつになったら出口に辿り着くやら、見当も付かないほど距離が長い。 所々赤、青、紫の照明が、鍾乳石を鮮やかな浮き彫りに照らし出している。 それに目を奪われながら下るので、それほど苦しさは感じなかったが、ここが中間地点という場所に来て愕然とした。 悪夢の登りがここから始まる。それも出口まで半端な距離じゃぁナイ! これはもうマジで無理だと思った。ツアーだし時間の制限だってある。 ガイドと一緒に他のみんなは、とうに行ってしまった。 「ゆっくり行けば大丈夫ョ、私が付いててあげるから・・・・・」 ガイドが出口まで370段あると言っていた。ビルでいえばザッと30階分の段数だ。 女房の激励もどこか空しい。10段登って一休みしていたら、一体いつ着くんだぁ〜。 「それとも籠に乗るゥ〜・・・・・」 「エッ!籠あるの?」 早く言ってよネェ〜、乗るに決まってんだろ!もう幾ら掛かっても乗る〜。 そうは言ったものの、若干の心配。恐らく断られるだろうなぁ〜・・・・・・・重いから。 反対側の奥に上り口がある。そこに4〜5台の籠タクシーが屯していた。 「頼むョ〜」・・・・・・マジに泣きが入る。 女房、ツカツカと歩み寄り交渉に及ぶ。その凛とした姿は惚れ直す思いだ。 振り返って私を指差している。あの男を乗せるんだといっているのだろう。 屈強の男達がヒラヒラと手を横に振っている。・・・・・・・ヤッパリ駄目かぁ〜? 九寨溝や黄龍は野外、ここは狭い洞窟内。無理からぬ話だとは思うが落胆の色は濃い。 もう頼まん!腐っても鯛、俺は日本人だ!なんの是しき、自分で登ってヤル〜・・・・ さっきは冗談で言ったのに、ホントに10段登って一休みだった。 息が苦しいどころではなく、吸っても入らない感じだ。このパターンになると赤信号の点滅。 これでは歩いているより、休んでいる時間の方が長そう。気は焦るがどうにもならナイ。 いつになったら出口へ到達できるのか、段々心細くなってきた。 後続の観光客が「なんだ坂、こんな坂」とドンドン追い越していく。 腰を下ろして息継ぎをしたいが、石の段々はビッショリ濡れていている。もう降参、白旗を揚げたい。 いよいよ進退ここに谷(きわ)まれり・・・・・・・か! ホイ、ホイ!掛け声も軽やかに、客を出口まで送り届けた戻りの籠タクシーがやって来た。 「待ったぁ〜、ちょ、ちょっと待たんかぃぃ〜」・・・・・・語尾が力なく消え入りそう。 思わず日本語で言ってしまった。 籠タクシー、へたばる私に一瞥をくれただけ。こんなの乗せたら、今日はもう仕事にならネェ。 そう思ったか?「ダメ、ダメ、駄目ョ〜」そんな言い回しで、ご丁寧にも前後でハモるようにして行ってしまった。 何もハモらなくても・・・・・・こちとら藁をも縋る思いだというのに冷たい奴だ! もう前も後ろも気にしない。ライトアップされた鍾乳石も関係ナイ。余計な神経を使わず、ひたすら足元だけを見詰め一歩一歩登るしかない。 感覚的には3分の1くらい来ただろうか、又例の戻り籠タクシーの掛け声が聞こえる。 今度はカミさん背水の陣。 やおら両手を広げ、籠タクシーの行く手を阻むように仁王立ち。・・・・・・ちょとオーバーか。 「待ちなさい!ここから乗せてってくれない?!」・・・・・女房、渾身の叫びをあげた。 おっとっと、籠タクシーの急ブレーキ。中国人でも中には情があるのも居る。 しゃがみこんで口も利けない私を余程哀れに思ったか、男気を出してOKしてくれた。 これぞ地獄に仏だ!もう恥も外聞もナイ。助かったぁ〜・・・・ こういう場合、お金を貰っても御免蒙る人、金額によってその気になる人、意気に感じてお金は二の次でもやってくれる人の3タイプに分かれる。 私の見る思ところ、中国はこの3番目の人が少ない。 天の助け!ホントに良心的な人だった。足元を見て運賃の割り増しも言わなかったらしい。 エイオッ!と掛け声と共に、先棒の兄ちゃんが一瞬グラッとよろめいた。 ここでやっぱり無理だと降ろされやしないか、まったく身が細る思いだった。 これは一言でいって楽ちん。さっきまでの悲壮感が嘘のようだ。 先には更に急な階段も待ち受けていて、あそこで乗せてくれたのが、本当にラッキーだった。 豪健な兄ちゃんも、さすがに1回籠を降ろして一息入れた。・・・・・・すいませんネェ〜 さあ、あともう少し、胸突き八丁も一気呵成に駆け上がった。いきおい籠は前が上がり後ろが下がるから、乗っている方は殆ど寝ているような状態だ。 その寝ている真上にポッカリと大きな口が見えた。目映く明るい日が差し込んでいる。 やっと出口だと思ったら、ツアー全員が白々と私を見ていた。あの美人ガイドまで・・・・・ 照れ隠しに、目出度く凱旋の手を振ってやった。 ちょっと恥ずかしかったが、こっちはそれでも必死だった。命からがらの脱出だったんだぁ〜 私の所為で40分ほど時間が遅れた。すぐにロープウェイに乗ってくれと慌しい。 女房、慌てて担ぎ兄ちゃんに規定料金30元を払った。それだけ、チップはなし。 男気の兄ちゃん、もっと欲しいとは言わなかったが、 「あ〜ぁ、今日は大損しちゃったな〜・・・・・」
遥か上空から見下ろす九郷風景区の全景が、かなり広いモノだと実感した。 勿論、地下の鍾乳洞だから見える筈もないが、切り立った谷間の中腹から抉られた様に口が開いている。 見覚えのある大休憩所が、鬱蒼とした木々の隙間から見えた。 そうしてみると、このロープウェイの距離をず〜と歩いた事になる。それも登って下ってだ。 あんなに歩いたんじゃ、へばる訳だ!と妙に納得した。私だけ・・・・・ ロープウェイで着いた所が最初の入り口。これで九郷観光のすべてが終了。 マイナーな割には見応えがあった。私は石林より印象が深い。 いやいや、苦労したからだけではなく、ミニ小三峡のクルーズに、出口の見えない鍾乳洞、スリリングなロープウェイと盛り沢山。 新道が出来て足回りさえ良くなれば、きっと石林と同じように賑わう事だろう。 おっと、それと酸素吸入器も、忘れずに置いといて欲しいなぁ〜・・・・・・・・ 9章 昆明旅行・最後の値切りへ続く・・・・・ |