中国初見参物語

3.恐竜博物館は何処だ!の巻

 4泊5日の旅程もあと2日、今日と明日は上海観光巡りだ。
ところが 肝心の結婚についての話を両親や家族と未だしていない。
これでは何の為に来たのか分からなくなりそう・・・・・今日こそ話を切り出さなければと焦る。
いくら話が通っている事後承諾とは言え、キチンと伝えなければケジメつかない。
分かってはいるのだが、どうも言い出し難く、バツ一でしかも20歳も違う事に気後れする。
時間がないし・・・・・・・・・・弱ったナァ。

あれこれ思いを巡らせている内に、お舅さんが迎えに来てしまった。
夕べ身振り手振りで、今日は上海を案内するという事だった。
外に出てみると立派な乗用車が待っていてビックリ、VIP並みの待遇だ。
どうやら仕事関係の友人らしく、乗用車を持っているところを見ると景気が良さそうである。
顔の色艶も良く如才がない。私も下手な中国語は懲りたので日本式に「コンニチハ」と挨拶。
お辞儀が如何にも日本人らしく映ったのか、どういう訳か笑われてしまった。

出来立ての高架(高速道路)環状線を走り上海市一周。

お舅さんは得意満面に、発展を続ける上海をあれこれ説明するが殆どワカラナイ・・・・・・・
日本人の悪い癖で、分かってないのに相槌を打つから余計混乱する。
2000年浦東地区は、大いなる変貌を遂げてすっかり様変わりしたが、当時は未だ丈の長い葦が生い茂り、見渡す限り野っ原だった。
玉仏寺、龍華寺を廻る。日本の寺と違い厳粛な雰囲気はなく、太くて長い線香の煙が噎せるほど辺りに覆い、参詣する人々も雑多な感じだ。
私は日本でも神社仏閣等にはあまり興味が無いので、こういう場所よりも現代上海の発展振りをもっと見たかったのだが、悲しいかな言葉の壁の為うまく意思が伝わらず諦めた。
傾いて見える?
龍華寺だと思う?
人民広場
人民広場の鳩は2000年一羽もいなかった

寺に隣接する立派な餐庁で早目の昼食。
見栄っ張りなお舅さんは友人を前にして、テーブルに並びきれない料理を注文する。
??・・・・・・・人の金だと思って遠慮がナイ。
友人の労をねぎらい盛んにビールを勧める・・・・・・・チョ、チョットまずいんじゃないかなァ。
出てきた料理は、豚の角煮、鯉のあんかけ、味のない鶏の蒸し焼き等々およそ手を出し難い
代物ばっかり、食え食えと言われてもネェ〜。
おまけに話の具合では、お舅さんは私の事を「日本から来た朋友」と紹介しているみたいだ。
うん、何となく以心伝心で分かる・・・・・・・ア〜〜これで尚更言い出し難くなった。

お舅さんのマンションに戻り、今度は予ねての私の希望であった博物館へ。
お姑さんも一緒だ!夏の日差しに眩しく映える白のパンタロン、50歳そこそこで若々しい。
人民広場にある上海博物館、堂々たる立派な建物だ。
何が気に入ったってトイレが綺麗な事、上海に来て初めてトイレらしいトイレに入った。
日本なら別に珍しくもないが、総大理石張りで清掃も行き届いている。
ただし中身の展示物は想像していたものと違い、殆ど古い壷や遺跡から掘り出された ツギハギだらけの土器で、私は昔っから興味がない。
それで又、多大な労力を必要とする説明になったが、お舅さんは一向に理解しない。
「ここが上海博物館に間違いナ〜イ」と大仰なゼスチャーを交え、何か文句あるかと言わん ばかりに訝しむ。
私が見たいのは、地球の歴史に始まる壮大なロマンであり、人類の変遷、恐竜の化石等 で、欠けた茶碗じゃないのだ。
ガイドブックの頁を操り、やっと判明。上海博物館に自然が抜けていたのだ。
「上海自然博物館?」そんなの知らネェと言う顔、「ちょっと待ってろ」と言い残しトンズラする。
こっちも面倒臭くなったから、どっちでもイイやと諦めかけた時戻って来たお舅さん。
外のタクシー運ちゃんに聞いてきたらしく「わかった、ワカッタ」の有り難いお言葉。
老朽舎看板
まだ在るのかなぁ〜
出来立てだゾ
地鉄入り口から見た上海博物館

件の自然博物館・・・・・・・・新築の上海博物館と天と地ほどの違い、凄まじい老朽舎。
これじゃァ忘れ去られてもしょうがない筈だと納得。
更に驚いたのは、入館者が殆どいない割に従業員の数が多いことだ!
狭い切符売り場に3人、どう贔屓目に見てもそんなに売上があるとも思えないが、現金を扱う関係上屈強な警備員1名が周囲を徘徊している。
年増の切符のモギリ嬢が両サイドに2名、忘れた頃にやってくる入館者をさも面倒臭そうに ニコリともしないで迎えてくれる。
殆ど売れないお土産や記念品を置いている場所に3人、手持ち無沙汰に館内警備をする 警備員が数多。
館内は3つのテーマから成っていて、地球の歴史、大陸に於ける人類及び恐竜の化石、 海に棲んでいた動植物の体系や化石と分かれていたように思う。
ご丁寧にも、その各テーマ入口に何の為か又もや入場券確認嬢が2人ずついて、日がな一日世間話に明け暮れていた。 今は上海も様変わりして大分改善されたが、1996年当時は未だそんな具合だった。
メインホールに度肝を抜く大きさの、埃にまみれた恐竜の化石が骨格通りに組まれ、その威容がまず目に付く。
それと古代巨魚シーラカンスの剥製が印象に残る程度で、全体の
構成も荒く他の展示物も殆ど粗雑に扱われ痛々しかった。

夜は降り出した小雨の中、外灘の夜景見物に出掛けた。
ライトアップされ幻想的に浮かび上がる外灘情緒に感激。
言葉は通じないが何かと気を配ってくれるお舅姑さんに感謝。
小雨に煙る上海タワーをバックにお姑さんと記念写真をパチリ、あとで出来上がった写真が歳恰好からして似合いのカップルに見えたのには、チョット空しさを覚えましたが・・・・・・・
お姑さんと記念スナップ
私の嫁さんではナイ!
浦東夜景
黄浦江を挟んで浦東夜景

さて、とうとうあと1日である。
明日こそ正式に結婚の話を切り出さねばと気持ちを奮い立たせる私でありました。・・・・・・

4.ありがとう〜さよなら上海の巻に続く・・・・


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