3.ビル大爆破!
| 2000年5月4日の事でありました。 私のマンションの周辺も、ドンドン開発が進み古いビルは取り壊され、アッという間に新築の 高層マンション工事が始まります。 あの時も、人手が幾らでも調達出来るせいか、小さなビルを人力戦術による解体をしてました。寄ってたかって、大きなハンマーを振り上げる姿は、一見長閑でもありましたが・・・・・・・ その日、特に用事の無かった(実情は毎日殆どナイ)私は、読みかけの推理小説が丁度山場を迎えた所でもあり、ワクワク一心不乱に読み耽っておりました。 愛妻は話しかけても生返事の私に愛想を尽かし、捨てセリフを残しつつ、昼頃、近くの実家に出掛けて行ったのであります。 ウルサイのが居なくなり、更に読書環境の整った私は、ルンルンで一気読破に邁進の態。 PM3:30けたたましく鳴り響く電話・・・・・・・・帰る途中の女房が息せき切ってがなり捲くる。 「マンションのすぐそばまで来ているけど、これ以上入れてくれなナイ!いますぐビルが爆発するらしいから外見て!」・・・・・・ギョギョ!一瞬脳裡をよぎったのが予告爆弾テロか!? 急いで窓辺に駆け寄り、外を見下ろすと、アリャァ〜〜本当だ!森閑として人っ子一人いない。まるで戒厳令でも布かれたように道路は遮断され、不気味な気配が辺りを支配している。 公安の軽四輪車が遠くの四辻で侵入者を阻んでいるのが見える。 ・・・・・・・・・・無人の静寂、ムムッ!これは只事では無さそうと思った瞬間・・・・・・・・・・ ドドド〜〜ン・・・・・・・地鳴りのような爆発音が炸裂し、ゆっくりと巨象が倒れるが如く、スローモーション画像を見ているように5階建ビルが、倒れ崩れていきました。 続いて、同じ敷地内の4階建ビルが、一連動作のように一瞬にして瓦礫と化し、凄まじい猛爆とした土煙が、波紋を広げるように押し寄せるように広がって来たのであります。 すぐ真向かいの、我がマンションは立ち所に、砂塵渦巻く爆風に見舞られ黄塵一色の有様。 「こんな街のど真ん中でよくヤルョなあ〜、ウ〜〜ンえらい!」と一種、賞賛の叫びをあげてしまいました。
道理でおかしいと思っていた?・・・・・・漸く納得しました。 いくら4階、5階建ての小さいビルとは言え、人間が手で壊していたら、いつ終わるのか大変なこっちゃと不思議に思っていたのであります。 あれはダイナマイトを仕掛ける為の、部分解体だったのかァ〜〜。 5〜6分して、幾らか薄らぎ収まった黄煙の間から、マサカと思う隣の家具市場ビルの1階横腹に大穴のアクシデント・・・・・・・・・・・アララァ〜 笑っちゃ悪いけど、漫画か安手のTVドラマを見ているような光景が忽然と出現し、ビックリ唖然。 ウッヒョッヒョ〜、私にとっては、そう滅多にない目撃であります。 他に遅れをとるまいと、風雲急を告げて押っ取り刀で江戸っ子ヤジ馬いざ出陣。 緩慢なエレベーターの動きももどかしくロビーに出ると、丁度愛妻が戻って来た。 「やった!やった!隣のビルも壊れちゃった!早く、早く」と手をもぎ取るように現場へ。 現場はマンションの上から見るより、横腹の穴も大きく、さながら爆弾テロの様相でありました。 悲劇のビルは、この界隈でもトップクラスの売り場面積を持ち、正面入口から奥行き100m位あって、比較的高級家具を展示販売しています。 そのビルの、ほぼ中央部側壁が15mに渡って吹っ飛んだ。内部は未だモウモウと砂埃が立ち込め、吹き抜けを伝わって全館埃塗れな様子が見て取れた由。 日本なら、この商品の賠償を考えただけでも、気が遠くなりそうである。 きっと、気の小さな爆破責任者なら、コソコソ雲隠れしたのではないでしょうか? 日本なら差し詰め、パトカーや救急車がサイレンを鳴り響かせ、辺りを蹴散らすように飛んで来るわ、空にはTV局と新聞社のヘリがどっと繰り出して来るわ、てんやわんやは必至。 押し寄せるヤジ馬でごった返す間隙を縫って、名うての各局TVリポーターが騒動をに煽るように、周辺住民や関係者にマイクを向ける姿が容易に想像できます。
しかし!?こちらはその内のどれ一つも無し・・・・・・・・・・・???? ここが中国の奥深い所以でありましょう。少しも慌てず泰然自若。 爆破チームも「アーァやっちゃった」と悪びれもせず、被害甚大の家具店も「アーァやられちゃった」と思ったより騒がナイ。・・・・・・・・・・ワクワクしていたこっちは肩透かしの拍子抜け。 暫くして、ビル内の砂煙が収まるのを待ち兼ねて、売り場店員や警備員、マネージャーまで総動員で片付け始めた。 「大した事ナイ!おしまい、オシマイ」と女房が急かすが、気負いこんでやってきた私としては、拍子抜けしてどうにも引っ込み付かず納得出来ナイ。 全く大らかと言うか、此れしきの事は何でもないという雰囲気に、一人相撲で色めき立っていた自分が恥ずかしくなり、当事者と反対にコソコソと引き上げる私でありました。 日本では建築絡みのトラブルは際限なく、やれ音がうるさいとか、埃で洗濯物どうしてくれるんだぁとか、土日なのに工事やる気か!とか、事前に話がなかったとか喧しい。 果ては、まるで重箱の隅を突付くような事まで騒ぎ立てるヤカラが多い昨今。 上海は建築屋さんにとっては、天国のような気が致しました・・・・・・・・ハイ。 この項おわり |