上海の楽しい人々篇

2.デパートの売り子

 1998年5月
上海はデパートに限らず商店、餐庁も雇用人が多い。
女房の話に寄れば人間が多いから、雇用を増やす政策からも仕方ない現象らしい。
日本なら、私が見ても差詰め5人も居れば十分と考える餐庁厨房でも確実に倍は居る。
だから厨房の中を覗くと、尻と尻がぶつかり合って誠に非能率的である。
良く観察すると、やはり半分の5人は談笑したり指図だけで、一応忙しそうなポーズだけ。
平均給与を引き上げるには、まずここからナントカせねば・・・・・・・

今回夏用のズボンを持って来なかったので、デパートに買いに行った折の事。
かなり広い売り場にダーと10列ほど、ズボンばかり吊るしたコーナーがありました。
1列毎に1人が受け持っていて計10人が立ち並んでいます。実に壮観であります。
ウィークデーなどお客より売り子の方が多いくらいなのです。
それぞれがお互いのテリトリーを侵さない暗黙の規律があり、統制は保たれている。
みんな一定の歩合で働いていて、しかもノルマがあり、聞く所によると1日800元(1万円)
の売上が無いとクビにされるそうで、内情はかなり厳しいようである。
いきおい、客を鴨ネギ鍋付きと見る向きも否めず、、〈売らんかナ〉のしつこさもあるが、一頃のようにお客を無視してダベッていたり、トランプに興じていたり、客が何か言っても胡散臭そうに「ナンダ!」と言わんばかりに嫌な顔をされたり、探しもしないで「没有(ない)」 と言われるよりマシである。
新規オープン百貨店



徐家匯7つのデパート中
6つ目の開店です

件の売り場、接客教育が盛んに叫ばれていた頃であるが、女房と二人期待もせず近づくと驚く無かれ、実に愛想よく相好を崩して擦り寄ってきた。・・・・・ヘ〜変れば変るもんダ!
機関銃のように浴びせ掛ける商品説明とお世辞、そして間断の無い微笑み。
絶妙なタイミングでメジャーを取りだし、私のウェストを計ろうとするに及んでは「チョ、チョット待ってよ」と押し止めるくらいだ。
ウェストでも計って貰おうものなら、もう手ブラでは帰れない雰囲気が漲るからだ。
どの列も品物は同じ様だが一応見てみたい。
隣の列に移動するとアリャリャまるで目に見えないバリヤーが張ってある如く、隣の領分には一歩たりとも踏み込んで来ず、熱心な売り込み声もピタッと止まる。
そして又同様に、その列の売り子の機関銃が始まる。
その鮮やかな変わり身は見事という他無く、拍手をしたいくらいだ。
喧嘩の無い様に気を配り、1列毎に1本づつ5本も買ってしまいました。
それでも半分は怨めしい顔をしていましたが、かと言ってこちらも10本は必要無く、そんなに良い子にも成れないので有る。・・・・・・・それにしても安かった、日本の1本分くらいかナ?



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