bike touring
| ■屋久島ツーリング 1169km 2004/11/19〜23 |

屋久島
1日目「移動」
福岡の自宅を21時過ぎに出発。大宰府から高速に乗って鹿児島市で仮眠を取る予定だった。途中、熊本を過ぎたあたりから次第に雨が降り出し、桜島サービスエリアで雨が小降りになるまで仮眠をとった。
ウトウトしながら2時間ほどで目が覚め、時刻は3時を回っていた。
港へ行こう!
小雨が降る中、再び走り出した。
フェリーの待合所に着いても、門は閉ざされ身の置き場が無い。
種子島行きのフェリー乗り場の母屋を借りて、仮眠しようとしてもなかなか寝付けない。
コンビニで買ったスポーツ新聞を見ながら時間をすごし、あっちへ、こっちへうろうろと、バイクに乗って明るくなる6時過ぎまで時間をつぶしたのだった。。
本日285km

8時35分桜島を見ながら出航
2日目「上陸」
仮眠や時間のすごし方に苦労するなら、朝の3時ごろに出発するのが良かったかも?と思いながらフェリーの受付に少しずつ人が集まりだしてきた。
折田汽船のフェリー屋久島2は、人が5,000円とバイク2,700円で、往復割引(30日有効)を利用すると帰路は人3,000円となる
中央の立派な建物にある受付では人間だけの乗車券売り場で、車やバイクは右隣の棟にある倉庫「南ふ頭1号上屋1号」へ追いやられる。初めて車やバイクで乗船しようとする人は、必ず面食らうシステムで、荷物預けのような対応だ。
フェリーに乗り込むと一番奥の別柵に案内されベルトで固定された。季節は過ぎたのか、他にバイクはなく荷物を沢山積んで日本一週と掲げたチャリンコがあるだけだ。船室へ上がると、制服の男女が歩行者の旅客荷物を岸壁からせっせと船内に荷物を運んでいる、フェリーは客優先のようだ。

開聞岳
屋久島2は思いのほか小奇麗で、ビールも安くて酔い。雑魚寝の2等室で睡眠をとるが、隣の女二人の口が止まらず、安楽の場を求め船の中をさまよい、閑散期のためかラウンジが解放されていて腰を落ちつけた。
チラッと外を見ると、先の尖った開聞岳が見えて綺麗だった。

12時30分屋久島へ到着
遠くから屋久島を見ると、想像していた形の島ではなかった。開聞岳を大きくしたようなイメージだったが、大きなやまなみがゴツゴツし、山が乗っかる感じの大きな島だった。
港に着くと晴天の太陽が照り付け、木々も南国の島の面影がある。気温は20度前後でウインターウエアで丁度良い。

雲がかかったやまなみ
フェリーを降り、突き当たりの信号を左へ折れて南下すると、同じフェリーから降りてきたクライマー数人が大きなザックを背負って山へ向かって歩いていた。さすが登山で有名な島だけあって、港から登山者を見ることができるのは屋久島だけだろう。
5分も走れば宮之浦を過ぎて家も少なくなり、右手にはガジュマルなどの南国の木が茂り、その向こうには1,000m級の山が迫り出して屋久島へ来たんだと実感する。
かもがわ↑オンマウスでチャンポン
13時過ぎに安房(あんぼう)の「かもがわ」で昼食をとった。安房川の手前の右側に在り、チャンポンやカツ丼がお勧めだ。特に人気メニューのチャンポンは、やや油っぽいがトップには分厚いチャーシューとイカがたっぷり入っておいしく、食べ応えがある。他、おかずが多くビック味噌汁付きの定食やA&Bランチもあり、お腹が一杯になった。

満潮の「平内海中温泉」
腹ごしらえした後、屋久島の名物温泉「平内海中温泉」を覗いてみた。干潮時のひと時にしか入れない海岸にある温泉のため、残念ながら潮が満ちていて、海水温も冷たくて入ることはできなかった。
進入路に書かれた但し書きには「素っ裸で入って・・」←うそ。だが、水着の着用を禁止している。スタイルの悪い男や、乙女は白昼の入浴には抵抗があるだろうから、どうしても体験したい女性は、夜中の干潮時に水着を着て入ることがあるらしい。どうしても入りたいとは思わなかったので、これ以降覗いて見ることは無かった。


千尋の滝で
島内では大川の滝と並んで有名な「千尋の滝」にたどり着いた。滝と展望台は遠く離れていても、ゴーっと鳴り響く音量は大きくて、ツルリとした岩肌から吹き出る滝はかなり水量があり迫力がある。
その展望台では日本語を話す外人と愛犬が屋久杉の彫刻品を露天販売していた。売れますか?まあまあです。など他愛の無い会話をして、彼の愛犬を借りて何ポーズか写真のモデルになってもらった。

大浦温泉
屋久町の青少年旅行村のキャンプ場に荷物を置いてベースとし、屋久島の山を楽しもうと思っていたのが、キャンプ場へ到着すると管理者は不在で無断テントが2,3張ってあるだけだった。電話すると10月一杯で休館だとのことで、テント張りは断られた。
時刻は16時で日没まで時間はある。管理者がいないキャンプ地だと明日、計画している宮之浦岳へ登るのは難しくなってきた。全荷物をバイクに残して登山するには防犯上心配だ。
空港まで引き返して「ライダーズハウスとまり木」に入ろうかと思ったが、先へ進みたい気持ちが強く、島最北端の矢筈キャンプ場へ向かった。

矢筈キャンプ場(まっくら)
キャンプ場は無料のため道路沿いに炊事場とトイレがあるだけで、テントを張る場所は道路の左右にあるタダの駐車場。先客にチャリダーの若者が一人だけが来ていた。
テントを張って荷物を置いた後、近くの温泉「大浦温泉」へ出向いた。海岸に建つ小さな作りの温泉で、明るければ窓から海岸美を楽しめるそうだが、もう真っ暗で何も見えない。泉質はこれといって特徴が無いが、疲れた体を癒してくれ気持ちがいい。一湊(いっそう)の町で屋久島焼酎の「三岳」と冷えたビールを仕入れ、ストアでゴマさばの干し物など食材を買い込みテントに戻った。
シカの足跡がクッキリついた弱地を避け、崖に近い草の辺にテントを張ったつもりだったが、深夜になると風がひどくなり、枝葉と虫のオーケストラやシカのスリスリ?にテントを揺らされた。

永田岬「屋久島灯台」
3日目「愛子岳」
眠れない夜を過ごすと朝方は眠い。6時過ぎに目を覚まし再び眠りに入ろうとするが、テントの外は明るくなり、まぶたの上から明るさが感じ取れる。
さあ、出発だ。
屋久島最北端の地から右回りに進むと、ちょっとした町の「宮之浦」をあっというまに通り過ぎて、後は自然が広がる県道が延びていく。

map

スーパーわいわいらんど
そんな町の外れにあるスーパー「わいわいらんど」の早朝は「道の駅」さながらで、自販機でモーニングコーヒー嗜む人や、仕事行きの待合に利用されている。ゴミ箱や綺麗なトイレも設置されているので、キャンプで出たゴミを処分するのに助かった。コンビニは8時から営業なので、ゴミ箱は出されていない。

愛子岳登山口からの林道
宮之浦岳を登るには遅くとも7時までにはスタートしていないといけない。キャンプ場から淀川(よどごう)登山口は正反対の位置にあるため時間的に無理。昨日行った「千尋の滝」駐車場から登れる「モッチョム岳」にトライしようと思っていたが、これまた遠くなり、時間的に遅くなるので宮之浦からすぐにある「愛子岳」を目指すことにした。

バイクウエアを脱いで登山開始
↑の登山口案内板からも林道を続き進んで行くと、「これからさき、愛子岳登山口に駐車場はありません」と看板が立ててあるので、登山口はまだ先かと、さらに進んで行く。だんだん車が通った形跡の無い、枯葉敷き詰めた道路が現れてきた。
「おかしい。」おかしいと思ったら必ず間違った道を進んでいるのが、最近の傾向だ。
先ほどの看板まで戻り、よーく見てみると看板すぐ横に登山口が描いてあり、そこへ目をやると小さな通路が見えた。
なーんだ、これだと誰でも間違うわな。
一台の赤い車が停車していると言うことは先客が登っているわけで、頂上で会えるかと考えながら、バイクを何処に止めようかと迷っているうちに、シルバーのセダンがやって来た。停止したかと思うとすぐさまリックをしょった男性が出てきて、スタコラと愛子岳に登っていった。

愛子岳の記録
8時30分登頂開始。3時間15分で山頂に到着すると書いてあったので、12時には頂上にたどり着けるとよんでいた。歩き始めて15分ほどで汗が噴出し、手袋で額に出た汗を拭うが間に合わない。タオルを額に巻いてTシャツ一枚になりひたすら登った。1時間経過したとき、風の通り道に出会い、汗まみれの体をクールダウンしてさわやかなひと時を味わう。風を感じながら休み休み登っていくも、あと2時間以上登るのか。へとへとだ。さらに道は険しくなり、心拍数が高まり息もあがりだした。

へばって休憩中
標高800mを越えるころには左太ももの筋肉とカメラを持ったいた腕がつってきた。3分ほど休憩すると解消するが、何度も再発する。さらに30分ほどすると右足もつってくるようになった。
両足共ガクガクだ。
やばいかも。
さらに、今度は目に来た。太陽を見ていないのに視線の中央が暗い。朝食を取っていなかったために貧血を起こしているらしい。頂上で食べようとしていたパンを取り出し遅い朝食を取ると、元気も出てきて立ちくらみも無くなった。

湧き水で・・

1,100mからまだあれを登るの?
標高900m過ぎに水を補給し、1,235mの山なのでもうすぐ到着すると考えていたが、開けた処から山頂を見上げると「が〜ん!」もう一つの山が目の前に立ちはだかるではないか。
あれを登るの?
今まではプロローグだったんだ。
今まで登り一辺倒だった道が一旦下って、再度上りに転じる。これからが本当の「愛子岳」アタックだ。
カメラをザックに仕舞い、両手をフリーにして岩肌をよじ登って行った。
あと200mと看板が出てきたとき、先に上っていた女性2人と10分前に登り出した男性が降りてきた。
「後もう少しですよ」と声を掛けられ、3人はワイワイ楽しそうに軽やかに崖を下っていく。いいナー。

ロープを伝って(汗)
そこからが長かった。ロープに体を預けて登っていくが、下りは大丈夫だろうか。誰もいないこの山で怪我でもしたら大変だ。ロープクライミングを2度利用してどうにか山頂へ到着。
やったー!!
とうとう着いたぞー。
両手を挙げてバンザイポーズで達成感を愉しむ。

とうとう頂上だ!
10平方の広さの山頂は誰一人いない。とりあえずは芝生のある場所でバタンキュー。空を見上げると、雲一つ無く青く澄み切った空間が広がるだけ。苦労して登ってきた甲斐があった。これが登山の醍醐味か。
途中1,000m付近までは獣道のような景色のない山林の中を登ってきたので、頂上からの開放感や360度見渡せる景観は新鮮で感動する。

愛子岳に上ったピカチューは史上初!?
濡れたTシャツを木に掛けて乾かし、上半身裸になっても何も遮ることのない太陽光線と、ひんやりした風と交わり丁度よい気候だ。身体から汗も引き、そろそろランチタイムとするため、アルコールバーナーに火を灯した。高地のため沸騰まではやや時間を要するが、景色を見て過ごした。沸騰後、カップヌードルにお湯を注いだが、水の量が少ない。
あれれ、ぜんぜん足らない、史上最低の湯量だ!。
水面が見えず、具の海老も乾燥したまま。
新たな水を沸かすには時間が掛かりすぎ、文字道理延び上がってしまう。
それでも、3分待って出来上がったカップめんはなお悲惨であった。パリパリ海老とスープの無くなったカチコチめんに一瞬放棄を考えたが、ここは国立公園。しかも“世界遺産”の地だ。処分するわけにはいかない。
半ゆでのラーメンを持ち帰るぐらいだったら胃袋の中へと、麺に箸を突いて無理やりのどに押し込む。全く美味くはないが、このロケーションでは貪り食う行為は自然的に思えたのだった。
300ccではたりない。500ccは沸騰させないと、カップヌードルは何cc入れるのがベストだろうか。

ランチとコーヒータイム
足の親指に靴擦れを起こしながら、愛子岳の帰路は途方も無く長く感じた。これだけの距離と急坂を登ってきたのは初めての体験で、他の山がこれ以上だったら無理だろう。山登りには向いていなと思った。基準は出発地より標高差1千メートル以内としよう。
16時15分登山口に到着。あるときに補給しないと、と思い近くの湧き水でペットにミネラルを補給する。
おいしいな。ココの湧き水は朝、オバサンたちが大型ポリ容器に何杯も詰めていたので、天然水として販売されているのかもしれない。
10分後には県道に出て、空港の信号を北へ100mのところにある「ライダーズインとまり木」にころがりこんだ。
施設の説明や分別ゴミの出し方などの説明を受けた後、すぐにテントを組み立てて、薄暗い中を楠木温泉へ出かけた。
宮之浦方面へ進んで行くと看板があるはずだったが、見落としてしまい、わいわいらんどまで来てしまった。
Uターンして真っ暗の中、小さな看板を発見。ツルツルする良質の美人湯に浸かって、登山の筋肉痛を柔らかに癒した。
空港近くのサムズでビールと焼酎三岳を買いテントでちびちびやっていると、昼間、にいさんたちが釣り上げた「ヘ鯛」をさばいたのでよかったら談話室まで食べに来ない?と○○さんが声を掛けてくれた。
談話室には5名のテント仲間が刺身を突いていて、焼酎片手に加わり、旅の話やバイクの話題などで深夜まで呑みふけたのだった。。
4日目「白谷雲水峡」
五合ビンをほとんど空けたので、昨夜のことはあまり覚えていない。
何か変なこと言ったり、しなかったか心配だったが、朝の挨拶を交わしていると何も無かったようだ。よかった。
今日、縄文杉は筋肉痛で体力的に無理なため、白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)を経て太鼓岩(たいこいわ)に登頂する軽いコースを選んだ。荷物をテントに置いて出かけられるので、同じフェリーに乗っていた自転車で日本一周をしている林くんを同乗させて出発した。
タンデム走行は初めてで、荷物を積むためリヤサスのダンパーを最強に固めているが、沈み込みが大きくフロントがふらついて運転しづらい。

杉か?!
白谷雲水峡は昨日の愛子岳と違って、見て楽しむ観光登山コースといったところだ。それでも、急坂はいかなる場所でも平等に地球の引力が働くので苦しくなり、二日酔い気味で気分がすぐれない。それに朝食抜きで来たものだからまたしても立ちくらみが襲う。それでも急坂の距離がそれほど続かないので体力もすぐに回復するが、昨日の登頂で筋肉を使い果たした太ももや膝は少しの坂でもギシギシと悲鳴を上げた。

こんな道も・・。
まだ8時台の早い時間帯で空いていたが、スタート地点で同時に入場すると、しばらくはそのグループとリンクして進んでいことになる。朝の澄んだ空気と森の色を味わいたかったので、すぐ前を行く人との距離をとるため吊橋の上でコーヒーブレイクを取った。
一時は効を奏し自分だけの環境作りに成功した。しかし、それが仇となり渓流沿いのルート目印を見逃してしまい、上流に向かってルートを離れてしまった。再び貧血状態で立ちくらみしがしたので、川の中央の岩の上でおにぎりをほお張っていた。だが誰もやってこない。「おかしい」と思いながら、いつもならどんどん進んでいくが、道は険しくなり何処へ行くのか皆目分からなくなり、仕方なく来た道を引き返して目印のあるルートに戻れた。

無名の変わり木

にわかクライマーは行く
白谷雲水峡の観光用ルートは弥生杉がメインだが、生憎、相次ぐ台風のお陰で見ることはできなかった。それでも奇妙な形をした杉を見ながら、痛い膝と強張った太ももを騙し騙ししながら辻峠へ到着した。ここから真っ直ぐに進むと縄文杉から宮之浦岳へ向かい、左へ折れると太鼓岩に分岐する。太鼓岩へ向かう登山者は峠のベンチに数泊分のリュックを置いて20分の険しい登りの太鼓岩をめざす。

太鼓岩から左
かなり急な根っこが張り巡らされた山を登って20分が経過すると、円形の大きな白い岩が現れた。「ひょ〜」と岩に登った瞬間に声がでる。眼下に広がる川を渡した大きな谷と、天候に恵まれ遥かに見える奥岳はすばらしい。今日の終点にふさわしい場所だ。丁度、ランチタイムに入ったので、この大展望を前に弁当を広げるのが自然だ。今日は水の量は完璧だった。たっぷりのお湯を沸かしてカップヌードル注ぎ、おにぎりをパクついていると、なっ!ないじゃない。箸がない。
困った!枝を折って箸に使うか。前にいるカップルの使った箸を貰おうかとも考えたが・・・。
インスタントコーヒーをかき回すプラスティックの短い棒があったので、箸の代用とした。短いため口元に麺を運ぶことが難しく「ズズ〜」と下品な音が太鼓岩周辺にこだましていたのは恥ずかしかった。

太鼓岩から前方

太鼓岩上の登山者
ラーメンを食べ終えてコーヒーを飲み終えたら、続々と人が増えて来た。そろそろ下山するか。下山途中にも団体ツアー客とすれ違い、こんなに登ると岩に立てないよと心配に思うが、日曜日なので仕方がない。幸運にも少ない時間帯で良かった。
下山途中に4才位の男児を連れたカップルが登ってくるし、70歳ほどの女性が下って行くのを目撃して、ヌヌッツ、登山ってかんたんなの??と今までに抱いていた観念が覆されてしまった。三段腹の自分の足先も触れないようなおばさんや、今にも転んでしまいそうなバランスの悪いお方まで太鼓岩に登っていたのには、階段を登れる技量があれば良いんだと認識させられた。
山を下り、16時にとまり木に戻った。二人乗りで狂った感覚を修正するために走りたかった。とりあえずは島の西へ走り、輝く夕日に向けてサンセットツーリングに繰り出だした。ムッチョム岳に映る斜光した太陽光線はクッキリとモッチョムを際立たせ、何時かはあそこへ登りたくさせる光景だった。

尾之間温泉(おのあいだ)昔は「オネダ」
そんなモチョムの近くにある尾の間温泉は、この島で入ったどの温泉より温泉風情をかもし出していて、写真写りに耐える建物だ。料金も200円と最安値で、清潔で広い浴室は好感が持てる。湯質や香りも素晴らしく「美人の湯」の系統であろう。はまってしまう温泉。そんな温泉だから午後5時となれば駐車場も一杯になり結構込む。閑散時間を選んで行けば、旅人同士の会話ができて良いだろう。いい湯を楽しんだ後は、さらに西へ夕日を見るために進んで行った。カーナビを見ると海岸線にも道路がある。また、山沿いにも道路があるでないか。海岸線と山の道を交互にひっ変えて暗くなるまで進んで行った。
本日102q
5日目「屋久島周遊」
本来なら宮之浦岳を目指すつもりだったが、腰、腕、膝、太ももが悲鳴を上げてバラバラの状態だった。テントから抜け出す時にぎしぎしと身体がキシム。今日は屋久島道路探訪と命打って、まだ見ぬわき道の感動の場所を探すつもりで出かけた。

モッチョム岳とモダンな家
朝日を浴びるムッチョム岳を写真に収めながら、これはと思う林道を走破しに分け入っていった。あるときはトラックの後を延々と走り、最後に工事中のため通子止。もしくは最近車は通ったことがない様な酷道を進んで、これからは危険だと立ち入り禁止の看板があったりして、全滅に近い状態だった。

道はあるがこの先は?
永田から一湊へ抜ける林道も工事中で、段々と林道トライも通行止めが多くてメゲテきた。ここらでランチタイムを取る事にした。

昼を回った所で天候は最高潮。一湊の防波堤には釣り人は一人だけ。寄らず着かずの距離でアルコールバーナーでお湯を沸かす。今度はたっぷりの水と箸もあり、完璧にカップヌードル(ドン兵)にありつけた。

晴れ晴れ
いつもはこちらから話しかけるが、ランチタイムの作業に没頭していたので、釣り人に声をかける暇がなかった。すると、向こうから声が掛かり、むかしは福岡に友達がいてよく遊びに行ったことや、「きびなご」のエサで2,3キロの大物がかかるなど、しばしの釣り談話を楽しんだ。
灯台を見学してとまり木に到着したのは13時ごろだった。今日の走行はここまでで、身体の休息が必要だった。昼寝が必要と、ビールを買って薩摩揚げをあてにして呑んでいると、徒歩で来ている○○さんがオープンテラスで会話の相手になってくれた。
16時には酔いも覚めて再び尾の間温泉を目指す。月曜日なのであまり人はいないと思っていたが、大間違いだった。
昨日よりは空いているが人は多い。バイクの荷物を整えていると愛子岳で下山途中で出くわしたお腹の大きな男性と再会した。彼は福岡から徒歩でやって来て屋久島の木々の葉っぱをサンプリングするために登山しているそうで、押し花のように新聞でスクラップするために古新聞をたくさん背負っていた。出会った日は、登頂時間が遅かったので山で宿泊したという。
本日179q
6日目「最終日」
ラジオが聞こえる中でテントから起きると、徒歩で来ている○○さんが起きて朝飯をこしらえていた。彼はいつもクッキングをしている。
ココへ泊まりだしてから、クッキング&イートしている以外の彼を見たことがないほど台所に立つことが多い。

ライダーズハウスの仲間たち左が徒歩の○○さん
最終日のため、呑んで仲良くなった仲間に「ではこれでムニョムニョ・・」と旅立ちを告げると、今、待っていたかのようにテントから出てきて別れ、
いや、旅立ちを出迎えてくれた。どこかでまた会うだろうと「一期一会」を噛みしめる旅立ちだ。
いいなー旅って。
たった三日間だったけど、長期や短期に関係なくその時の存在を共有できたことで、幼馴染のようで弟や兄のような感覚で接しれたことは、屋久島へ初めて来た思い出にしては忘れないものとなった。
最終日は反時計(左回り)のルートを取り、右回りとは違う新鮮な景観を味わうことができた。これは普段のツーリングコースも言えることで、見落としていた看板や、案内板が無いと行けないようなところも、逆からだと見えてきた。屋久島に限らず島のツーリングはこれでいこう。

西部林道から

またもや屋久島灯台
灯台はいつ行っても誰かいる。今日もレンタカーの熟年夫婦が来ていて、旦那はデジカメで灯台を撮り、奥さんは周りの崖の傾斜や草花を見ていたのはお互い旅慣れていたせいか。
屋久島灯台は今回で3回目となり、初めて訪問したときは門の中へまで進んで行ったが、回数を重ねると外からの景観の方が絵になる。

西部林道の屋久ザル
西部林道を通ると猿たちとは何時も出会える。猿を見たならバイクのエンジンを止めて近づくと逃げださない。静かに距離を取って見ているとヤク猿は何事も無かったように毛繕いをしたり、日光浴を楽しんでいる。ヤク鹿は10m以内に近づくと白く可愛いお知りを見せ付けて山の中へ一目散に逃げてだし、まともな写真は撮影できなかった。両者とも本土に比べて一回り小型で可愛らしい。
それから、ヒヨドリを沢山見かけた。スズメより一回り大きくずんぐりした形は不恰好だが、道路から逃げ出す時の尻尾の白さが印象的だ。

みて!中間川の透明度
屋久島の川は山から直接落ちてきて、海までの距離が短い川がほとんどなので、澄み切っていて綺麗だ。海も汚れは無く、山にもゴミがない。もちろん町にもだ。一人ひとりがゴミを捨てないようにすると、ココまで綺麗になる見本のような場所だ。

夕日に染まる桜島
13時20分発の鹿児島行きフェリーの時間が迫ってきた。5日間という時間の中でツーリングとしては十分回れたと思う。だが、旅と登山という観点では、まだまだ遣り残したことは多く、あと5日間は必要だ。宮之浦岳やモッチョム岳、縄文杉など回りたいところはまだまだ一杯ある。

旅の終わり
屋久島は観光の島と感じた。観光に来ているからそう感じたのか分からないが、来る前のイメージとは少し違って、仕事や現世を忘れさせてくれた。キャンプではテレビも無く、新聞も無い。情報はガイドブックと口コミ、そして、自然から得たものだけだ。ゆっくりと車が走行し、バイクの前へひょいっと出てくることも無く、すべてがマッタリとしている。島の大きさが一人の人間にとって丁度良い大きさで、手におえる島、それが屋久島なのだ。。
本日124km
高速282km